2005年11月のこびん

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<第0252号 2005年11月27日(日)>

       ホカホカカップ

         出かけるときは
         手帳の代わり
         
         小さなカップを
         ポケットに
         
         キラキラ光や
         小さな出会い
         
         そっと集めて
         飲みほして
         
         もしも
         だれかに会ったなら
         
         どうです
         あなたもいかがです
         
         そっとすすめてみませんか
         2倍のホカホカあたたまる


   * 挿一輪 *

 冬に向かって、色彩が乏しくなってきます。
 冷たい風、コートのえりに顔をうずめるように、
 目的地へと急ぎます。
 
 そこに、わずかの陽だまりや、小さな花が咲いていても、
 目にもとめずに、通り過ぎてしまいます。
 
 メモするために、手帳を持ち歩くことがよくあります。
 ささやかな出会いを、ひとことでも書き留めておく。
 それだけで、あとから、その時のことを思い出せます。
 
 そんな手帳の代わりに、小さなカップをポケットに。
 
 陽だまりがあったら、差し出して光を入れて、飲んでみる。
 出会いがあったら、その気持ちをカップに移して飲んでみる。
 
 でも、ひとりでは、少しさみしいな。
 そう思ったら、だれかにそっとすすめてみませんか。
 
 一緒にのんでくれたなら、こころも2倍にホカホカです。
 
 さあ、こころの小さなカップをもって、
 一歩外へと、でかけてみませんか?


<第0251号 2005年11月24日(木)>

       魔法

         魔法を使うには
         魔法を習えばいいのさ
         
         いったいどこで教えてくれる?
         あなたはきっと聞くことだろう
         
         その気になればどこでも習える
         とおりすぎる出会いの
         ひとつひとつが魔法使いなのさ
         
         あなたが気づいていないだけのこと
         
         まわりのすべてが
         とってもステキな
         魔法だということにね


   * 挿一輪 *

 魔法を使いたいのなら、魔法を習うしかありません。
 
 どうにかして、欲しいもの。
 どうにかして、かなえたい夢。
 どうにかして、会いたい人。
 
 思いをかなえられる魔法は、だれもがほしいもの。
 でも、それを習う魔法使いはどこに?
 
 ホグワーツの魔法学校には、入れそうにもありません。
 修行をして、マスターするのも大変そうです。
 
 魔法って、もう幻のものでしょうか。
 
 あなたは、魔法は、長い杖や指先で、
 一瞬にして、変化させるものだけだと思っていませんか。
 
 とんでもない、もっとやさしくて、もっとたしかな方法があります。
 なぜなら、あなたのまわりには、
 いつも魔法が使われているからです。
 
 小さな、毎日の出会いを思い出してください。
 あなたの、まわりの、変化を思い出してください。
 
 どうして、こんなことができたの?
 どうして、ステキなことがおこったの?
 
 かならず、魔法が使われているはずです。
 なにげなく、そっと、音も立てずに。
 
 じっと、観察してみてください。
 魔法の秘密が見つかるはずです。
 その方法が見つかれば・・・。
 
 こんどは、あなたが魔法をかける番。
 ほらね、あなたも、魔法使い。



<第0250号 2005年11月20日(日)>

       基準

         夕陽が沈んでゆく
         
         でも
         ほんとうは
         地球が動いている
         
         基準を
         どちらにおくか
         
         もののみかたには
         2通りのサイドがある


   * 挿一輪 *

 今さら、天動説を唱えてみても、冷たい目で見られるだけです。
 
 地球のまわりを、太陽がまわっているのではなく、
 太陽のまわりを、地球がまわっています。
 
 わかっていながらも、沈んでゆく夕陽を見ていると、
 動いているのは、太陽です。
 
 正解はひとつであっても、みかたの側面は2通りあります。
 どちらを基準にするか。
 
 どんなときでも、双方の立場から見ることができると、
 こころのなかの、許容の幅が広がります。
 
 
 生きることは、どちらかを選択することの連続。
 だからこそ、
 選択できなかった、もうひとつの場面を、
 大切に扱いたいと思います。
 
 正解ということばの陰の、もうひとつの別サイド。
 そこからまた、新しい発想が、湧いてくるように思いませんか?


<第0249号 2005年11月17日(木)>

       くぬぎ

         まあるい
         くぬぎの実を
         てのひらで
         あたためて
         そっと
         あなたに渡したい
         
         冷たい風のなかでも
         陽だまりを
         思い出すように


   * 挿一輪 *

 くぬぎの実を拾いました。
 手に持っていると、あたたかくなります。
 ポケットに入れていても、あたたかくなります。
 
 あたたまったくぬぎの実を、
 カイロがわりに、
 あなたに手渡ししましょう。
 
 陽だまりのあたたかさが、
 いっぱいに詰まった、
 まあるいくぬぎの実を。
 
 寒い季節に、
 少しでもいいから、あたたまってくださいね。


<第0248号 2005年11月13日(日)>

       つなぐ

         つなぐ
         つなぐ
         
         かならずやってくる
         そのときを
         信じて
         
         つなぐ


   * 挿一輪 *

 うまくいかないことがあります。
 思ったほど、評価が得られないことがあります。
 
 ちょっと自信をなくし、
 せっかく今までやってきたことを、中止してしまいます。
 
 でも、積み上げてきたものは、続けることで保たれています。
 流れが途切れると、
 その位置まで戻すのに、またエネルギーを使います。
 
 辛くても、やめてしまわずに、コツコツと続けてください。
 少なくても、その位置にとどまることはできます。
 
 状況が好転したなら、
 続けたことが、確実に成果をうみだしてきます。
 
 続けること、次につなぐこと。
 どんな状況でも、あきらめずに、自分の努力を続けてください。
 
 かならず、あなた自身に役立つはずですから。


<第0247号 2005年11月10日(木)>

       前へ

         前へ
         
         どんなときでも
         ひとつ
         前へ
         
         急ぐのではなく
         飛び上がるのでもなく
         ひとつ
         前へ
         
         その積み重ねが
         大きな
         前へ


   * 挿一輪 *

 大きな変化に、目が奪われがちです。
 
 気がつかないほどの、小さな変化は、
 取るに足らないように思えます。
 
 この一歩は、意味がない、と、決めて、
 無理をしてまで、あえて前へ進むことをしません。
 
 でも、一度止まってしまった足は、次の一歩が踏み出せません。
 
 一歩が無理なら、半分でも。
 とにかく、前に歩みを進めていれば、進む「くせ」ができます。
 
 歩みがわずかでも、止まっているのと比べれば、
 少しずつでも、前に進みます。
 
 ひとつ、前へ。
 合言葉にして、進んでみてください。
 
 そして、一週間後でも、一月後でも、確かめてください。
 そっと、振り返って、どんなに、自分が進んできたかを。


<第0246号 2005年11月6日(日)>

       水の音

         流れる水の音を
         ただじっと聞いている
         
         流れる水の音は
         ひとつだけではない
         
         流れる水の音が
         わたしから聞こえたら
         
         流れる水の音に
         いのちの音をかさねてみよう


   * 挿一輪 *

 水路でも、川でもかまいません。
 
 ふと、水の音が聞こえてきたら、
 自分の音に、重ねてみてください。
 
 耳の外で聞く音と、耳の中で聞く音と、
 ふたつの水の音を、感じます。
 
 人間のからだのなかも、樹のなかも、
 いのちのなかには、水が流れています。
 
 いのちの歌は、水の歌なのかもしれません。
 
 あなたと、あなたのすぐそばにいる人と、
 水の歌を、一緒に聞くことができますか?
 
 そっと、重ねて、少しずつ、リズムが似てきて、
 いつか、重なって、より強いリズムになったときに。
 
 いのちのすばらしいところは、
 水の流れを、共有できることかもしれませんね。
 
 いま、あなたには、水の音、いくつ聞こえますか?


<第0245号 2005年11月3日(木)>

       目薬

         あっかんべー をして
         ポトン と一滴
         きみは怖くて それができない
         
         目に入る直前で
         きっちりと 目を閉じてしまう
         いつもまぶたに 水の粒
         
         ほら 天井に クモ
         え どこ
         ポトン
         
         ね 怖がらなければ
         簡単だろう


   * 挿一輪 *

 目薬をさすのが下手。
 別に、そんなに上を向く必要なんてないのに、
 思いっきり、頭をそらせて。
 
 力ばかり入って、
 落ちるぞ、落ちるぞ、ほら。
 絶妙なタイミングで、目を閉じるから、
 目薬はいつも、まぶたの上。
 
 目薬の瓶ごと、目に入れるわけでもないのに、
 その、一滴が怖い。
 
 ふつうに前をむいて、あっかんべーをして、
 そこに、ポトンと一滴をたらして、
 目を閉じて、静かにする。
 
 それでも、だめなら、もう奥の手。
 ほら、あそこに、クモ。
 どさくさまぎれに、一滴。
 
 でも、クモ、の、ひとことに、
 目をつぶってしまったら。
 
 どうしようかな?



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