2014年1月のこびん

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<第0702号 2014年1月26日(日)>

       ひなたに

         ひなたに
         ふとんが
         ほしてある
         
         まっしろ
         ふとんが
         ほしてある
         
         ふわふわ
         ふとんが
         ほしてある
         
         あまりに
         きもちが
         よさそうで
         
         あおぞら
         てがみを
         かきました
         
         わたしも
         ひなたに
         ふんわりと
         
         おひるね
         ふとん
         くださいな
         
         かあさん
         わらって
         くしゃみして
         
         くもの
         ふとんを
         だしました


   * 挿一輪 *

 子どものころ、
 いちばん好きだったことはなんですか。
 
 わたしの答えは、
 「縁側の陽だまりに干してあるふとん」
 
 目をあけるのもまぶしいくらいのホカホカふとんに、
 ごろりところがったときの気持ちの良さ。
 
 わけもなく笑いが止まらなくなって、
 いつまでもそのままでいられたなら、って。
 
 子どものころ、
 いちばん楽しかったことはなんですか。
 
 思い出しただけで、
 からだがあたたかくなってきませんか。


<第0701号 2014年1月19日(日)>

       冬の樹

         最後の
         一枚の葉を
         おとして
         
         剃りたての
         頭のように
         ピカリと光る枝
         
         冬の空が
         贈ってくれた
         とびっきりの
         青の晴れ着に
         
         ひとつ
         ひとつ
         枝の先まで
         袖を通して
         
         樹は
         そのまま
         冬の舞姫


   * 挿一輪 *

 冬になると、
 落葉樹はみごとな容姿を披露してくれます。
 
 葉があるときには見えなかった枝ぶりから、
 いちばん樹の美しさを感じます。
 
 なにもまとわないときの美しさ。
 それは青空に祝福されているようです。
 
 じっと樹を見てください。
 
 その季節ごとに、
 教えられることがたくさんありますから。


<第0700号 2014年1月12日(日)>

       シンプル

         シンプルに
         シンプルに
         まっすぐに
         
         まわりみちせず
         最短距離で
         わかりやすく
         
         シンプルすぎて
         笑われてもいい
         はずかしくてもいい
         
         だって
         だれも見ているだけ
         動かない
         
         ゆっくりと
         カメのようでも
         めざすなら
         
         ほらほら
         もうすぐ
         意外と近い
         
         シンプルに
         シンプルに
         自分の足で


   * 挿一輪 *

 ものごとでいちばん分かりやすく速いもの。
 シンプル イズ ベスト。
 
 目をしっかりと見開いて、
 最短距離を歩いてください。
 
 走る必要はありません。
 カメさんの歩みでも大丈夫。
 
 ただし、
 自分の足で。
 自分のことばで。


<第0699号 2014年1月5日(日)>

       今日という一日

         今日という
         一日を
         楽しむための
         一日に
         
         しゃがみこんだ
         あしもとの
         花の
         ふとみあげた
         太陽の
         かがやきの
         
         どんな
         ちいさな
         出会いも
         どんな
         ささやかな
         贈り物も
         
         今日という
         一日を
         楽しむための
         一日に


   * 挿一輪 *

 あなたが使える、
 たしかな一日。
 
 一分一秒まで、
 楽しまなくては。
 
 それが、
 しっかりと、
 生きた証しに残ります。




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