2014年4月のこびん

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<第0715号 2014年4月27日(日)>

       みつけよう

         みつけよう
         おもしろいこと
         ひとつだけ
         みつけてみよう
         
         みつけよう
         おもしろいこと
         みつかったなら
         もうひとつだけ
         
         みつけよう
         おもしろいこと
         みつからない
         それはへんだな
         
         みつけよう
         おもしろいこと
         よりみちしようよ
         ほらみつかった
         
         みつけよう
         おもしろいこと
         なってみようよ
         まずあなたから


   * 挿一輪 *

 おもしろいものをみつけるのには、
 こつがあります。
 
 それは自分自身がおもしろいものになることです。
 
 ユーモアのセンスは小さな遊びがもってきます。
 日常のくりかえしのなかでも、
 その一部分でも遊びにしてはいかがでしょうか。
 
 真剣に生きているのに不謹慎な。
 
 そう拒絶する前にワンブレーク。
 その場でぐるりと一回まわって。
 
 その一瞬だって遊びになります。
 ほら、
 おもしろいことみつかりましたか。


<第0714号 2014年4月20日(日)>

       たんぽぽ

         陽だまり
         だから
         ではない
         
         いつも
         そばにいるから
         でもない
         
         日陰の
         湿った塀の隅
         
         壊れた雨どいの
         どんづまり
         
         それでも
         満面の
         笑顔
         
         それでも
         純白の
         綿帽子
         
         だれも
         見ていなくても
         
         たった
         ひとりぼっちでも
         
         咲くことができる
         笑うことができる
         生きていくことができる
         
         自分自身を


   * 挿一輪 *

 春になると、
 あちらこちらで黄色い花を目にするようになります。
 
 どんなに条件が悪いところでも、
 しっかりと根付き、
 じっと見ているだけで勇気づけられる花、
 たんぽぽ。
 
 天真爛漫の太陽のような花。
 ふわふわとした真っ白な種。
 
 たんぽぽは根付く環境を選べません。
 でもどんな場所でも、
 せいいっぱい花を咲かせます。
 
 たんぽぽに負けないように、
 笑顔いっぱいで生きてゆきたいものですね。


<第0713号 2014年4月13日(日)>

       並んで

         ゆっくりと
         ゆっくりと
         進んでくる影がある
         
         少しずつ
         少しずつ
         近づいてくる影がある
         
         四角い影は
         車いす
         細長い影は
         つえ
         
         ゆっくりと
         二つ並んで
         ゆっくりと
         二人並んで
         
         笑いながら
         おしゃべりしながら
         こぼれんばかりの
         サクラ
         みあげながら
         
         少しずつ
         ずっと並んで
         少しずつ
         見えなくなるまで並んで


   * 挿一輪 *

 ゆっくりと動くものは、
 知らず知らずのあいだに、
 こころのなかに残るものです。
 
 日常の生活のなか、
 時間に追われて、
 動きの速いものについてゆくのがせいいっぱいですね。
 いつのまにかストレスになっているはずです。
 
 ゆっくりと、
 ゆっくりと。
 
 考えてみれば、
 時間を勝手に速くしているのは、
 わたしたち人間だけかもしれませんね。


<第0712号 2014年4月6日(日)>

       春の仲間

         人差し指を
         ピンと立て
         
         思いっきり
         空へ
         
         サクラの花びら
         この指
         とまれ


   * 挿一輪 *

 満開のサクラ。
 
 サクラの花びらが、
 風に乗って飛んでゆきます。
 
 寒さの厳しい冬が終わり、
 待ち焦がれたサクラは、
 春のあたたかな気候に、
 一気に満開まで駆け抜けてゆきます。
 
 待つ春。
 惜しむ春。
 
 巡る季節のなかで、
 また出会えるときを楽しみに。
 
 せめて、
 地面に戻る前に、
 この指とまれ。




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