2014年5月のこびん

戻る


<第0719号 2014年5月25日(日)>

       とどけたい

         あなたのもとへ
         とどけたい
         なにかひとつを
         とどけたい
         ほんのちいさな
         ことだけど
         ささやかすぎる
         ことだけど
         にしのおやまの
         てっぺんに
         あかいゆうひが
         しずむまで
         あなたのもとへ
         とどけたい
         ただそのために
         いちにちを
         きょうというひを
         ひたすらに
         いきてみようと
         きめたから


   * 挿一輪 *

 なにかひとつのために、
 自分の今日一日を、
 使うことができるなら、
 どんなにすてきなことでしょうか。
 
 そんな一日一日の積み重ねが、
 幸せへのいちばんの近道でしょうか。
 
 生きる道のりは、
 いのちの使い方しだいで、
 大きく変わりますから。


<第0718号 2014年5月18日(日)>

       はなばたけ

         良いことがあったなら
         じっくりと
         かみしめて
         
         悪いことがあったなら
         ていねいに
         応対して
         
         そんな
         小さな積み重ねが
         いちにち
         いちにちの
         種になり
         
         雨がふって
         陽が照って
         
         まいにち
         なにかの
         花が咲く
         
         まいにち
         あなたの
         花が咲く
         
         ほら目の前の
         はなばたけ
         あなただけの
         はなばたけ
         
         ただ
         一面に広がって


   * 挿一輪 *

 生きているといろいろなことがあります。
 楽しいことも辛いことも日替わりのように起こります。
 
 楽しいことはおおいに楽しみ、
 辛いことはしっかりと耐えて。
 
 それぞれが小さな種になり、
 忘れたころに小さな花を咲かせます。
 
 いまのあなたは、
 過去に蒔いた種が育って、こうして花を咲かせました。
 
 でも、毎日種を蒔かないと、
 いつかは花が途切れてしまいます。
 
 ていねいにていねいに、
 ひとつずつひとつずつ。
 
 生きることは、
 あなただけの花畑を作ることに。
 
 さあ、
 あなたの花畑、見せてくださいね。


<第0717号 2014年5月11日(日)>

       マリオネット

         透明な糸が
         手や
         足や
         腰にまで
         つけられて
         
         いつのまにか
         わたしは
         小さな
         マリオネット
         
         あやつるのは
         だれだろう
         この糸の先に
         だれがいるのだろう
         
         意思に関係なく
         手は動く
         足も動く
         あやつられるまま
         
         ほんとうは
         だれもいないのに
         ほんとうは
         もうひとりの
         わたししかいないのに


   * 挿一輪 *

 どうもものごとが思うように動かないとき、
 つい人のせいにしてしまうことがありませんか。
 
 どこかで、
 自分が原因ではないと納得させたいためでしょうか。
 
 マリオネットはだれかがあやつるから動くもの。
 でも、
 糸の先にだれの手があるのか見たことありますか。
 
 事実は、
 しっかりと自分の目で確かめたいものです。


<第0716号 2014年5月4日(日)>

       ご馳走

         開きたての
         若葉なのに
         もうこんなに
         穴が開いている
         
         どうしてと
         若葉に手を触れて
         その柔らかさに
         離せなくなった
         
         虫でなくても
         かじりたくなる
         若葉は五月で
         いちばんのご馳走


   * 挿一輪 *

 若葉がまぶしい季節です。
 
 やわらかな緑のフィルターのなかで、
 こころもからだも安らぐ気持ちです。
 
 若葉は虫たちにとって食料です。
 柔らかくみずみずしい葉は、
 とてもおいしいにちがいありません。
 
 そういえば、
 採りたての山菜が旬の季節です。
 
 若葉のような気持ち、
 いつでももっていたいですね。




このページのトップに戻る

Copyright© 2014 Kokoro no Kobin