2014年6月のこびん

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<第0724号 2014年6月29日(日)>

       さえずり

         声の眠る夜明け
         
         眼をひらき
         だれかが
         じっと
         うかがっている
         
         声の眠る夜明け
         
         はるか
         山のかなたで
         かさりと
         葉がふれあった
         
         声の眠る夜明け
         
         それが
         待ちに待った
         合図
         さあいっせいに
         
         はじける
         鳥たちの
         朝


   * 挿一輪 *

 朝の静けさをやぶる第一声は、
 鳥たちの声。
 
 どんな場所でも静かにしていれば、
 小さな物音一つでも伝わるもの。
 
 こころも静かにしていれば、
 大切な第一声を
 聞き逃さずにすむのかもしれませんね。


<第0723号 2014年6月22日(日)>

       夏至

         今日が夏至だって
         みんな知っている
         
         ネコだって
         ちょうだって
         たんぽぽだって
         みんな知っている
         
         暦をみて
         今日が夏至だって
         はじめてわかるのは
         
         きっと
         人間だけかもしれない


   * 挿一輪 *

 早朝、カーテンのすきまから光が漏れてきます。
 
 明るくなるのがはやくなって、
 鳥たちのさえずりも元気いっぱいです。
 
 夏至を過ぎても、
 朝はまだまだ明るくなります。
 
 少し早起きして、
 鳥たちと会話するのが楽しい季節ですね。


<第0722号 2014年6月15日(日)>

       変身

         大きく息を吸って
         雨になる
         
         翼を濡らして
         鳥になる
         
         木の実を食べて
         新芽になる
         
         高く伸びて
         空になる
         
         光を巡らせて
         あなたになる


   * 挿一輪 *

 鳥になって空を飛びたい。
 魚になって海を泳ぎたい。
 
 変身願望はだれにでもあると思います。
 
 だれにも負けないほど強くなりたい。
 だれにも好かれるように優しくなりたい。
 
 そんな夢のような話、と思われますが、
 逆に言えば、
 夢のなかではどんなものにでもなれますね。
 
 想像の世界で、まずなってみませんか。
 変身するには、
 なりたいものをしっかりとイメージすることから始まりますから。


<第0721号 2014年6月8日(日)>

       あみだくじ

         まっすぐに
         すすむことが
         できなくても
         あきらめない
         
         すぐそこに
         みえていても
         とおまわりしても
         いいではないか
         
         あみだくじを
         たのしむように
         いくつものかどを
         まがりつづけて


   * 挿一輪 *

 あみだくじはまっすぐに進めません。
 横道に出会ったらとにかく曲がります。
 
 たとえゴールが見えていても、
 そこまでの道のりは遠いものです。
 
 でもその道のりが、
 わくわくどきどき楽しみですね。
 
 目的だけでなく、
 その過程をも思いっきり楽しみたいものです。


<第0720号 2014年6月1日(日)>

       動く

         ほんの少し
         変えてごらん
         気がつかれないくらい
         ささやかでいい
         
         たったひとつ
         変えてごらん
         最初に
         目につくことでいい
         
         あなたの足元で
         音もなく
         地球が動いている
         
         あなたの頭上で
         音もなく
         宇宙が動いている


   * 挿一輪 *

 「それでも地球は動いている」
 ガリレオのことばを待つまでもなく地球は動いています。
 
 その地球も太陽の周りを公転し、
 宇宙自身も広がり続けています。
 
 動かないものはなにひとつありません。
 ただその動きが体感できないだけです。
 
 どうしていいかと立ち止まってしまっているあなた。
 多くのものを抱えすぎて身動きできないあなた。
 
 まず、なにかに手をつけてみましょう。
 まず、ひとつ変えてみましょう。
 
 一歩進めば視点は大きく変わります。
 なんといっても、
 止まっているものはただのひとつもないのですから、
 この惑星(ほし)には。




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