2014年11月のこびん

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<第0746号 2014年11月30日(日)>

       もしも

         そらの
         奥の奥の奥の
         ずっと奥にむかって
         
         「ありがとう」
         
         こころの
         奥の奥の奥の
         ずっと奥にむかって
         
         「ありがとう」
         
         もしも
         大声で
         叫びたくなったら


   * 挿一輪 *

 大声で叫びたくなったらどんなことばを叫びますか。
 
 怒りや攻撃的なことばは、
 すっきりとはせずに後味が悪いものです。
 
 ストレスを発散するには笑いが一番といわれます。
 それならばいっそ、
 大声で「ありがとう」
 
 不思議に笑顔になってすっきりします。
 
 憤りを感謝に変えることができたなら、
 あなたは大切な宝物を、
 またひとつ、
 手に入れたことになります。


<第0745号 2014年11月23日(日)>

       見あげてごらん

         空を
         見あげてごらん
         かたわらの樹のように
         
         空を
         見あげてごらん
         足元の草花のように
         
         空を
         見あげてごらん
         時間をポケットにしまって
         
         空を
         見あげてごらん
         つつまれたあなたに戻って


   * 挿一輪 *

 今日、
 あなたは空を見あげましたか。
 
 昨日は、
 空を見あげましたか。
 
 人間の顔は前を向いています。
 正面に関して、
 人間は常に注意を向けています。
 
 でも、
 側面や背中は無防備に近いものです。
 まして、上下に関してはほとんど意識していません。
 気をつけていなければ、
 足元のくぼみに足を取られるでしょうし、
 空からの落花物にはそれこそお手上げです。
 
 となりにだれかが寄ってきて声をかけられて、初めて気がつくことや、
 小さな段差につまずくことや、
 水滴が頭に当たって初めて空を見あげることなど、
 思い当たることはたくさんありますね。
 
 時には立ち止まって、空を見あげてみてください。
 時には立ち止まって、足元に目を向けてください。
 
 あなたを包んでいる大きな世界を、
 いかにあなたが気がついていないかがわかります。
 
 空を見あげるのは、ひとつのきっかけです。
 あなたのまわりの大きな世界。
 さて、今日はいったいなにを見つけましょうか。


<第0744号 2014年11月16日(日)>

       あゆみ

         こうして
         長い年月が
         小さなあゆみを
         きざみつづける
         
         こうして
         拙い毎日が
         確かな思いを
         のこしつづける
         
         消えてしまえば
         それだけだけど
         それだけだから
         なおさらに
         
         こうして
         ふっと立ち止まり
         ふっとふりかえり
         またあゆみつづける


   * 挿一輪 *

 ひとがひとゆえに大切にするもの。
 それが記念日だと思います。
 
 誕生日を初めとして様々な記念日がありますね。
 
 毎年必ず覚えているもの。
 いつのまにか忘れてしまったもの。
 ふとしたきっかけで思い出すもの。
 
 親しい人としみじみと祝う記念日や、
 みんなでにぎやかに楽しむ記念日。
 
 なかにはほろ苦い味のする記念日まで。
 
 でも、
 そこには、
 だれかとの関わりあいが必ずあるに違いありません。
 
 だからこそ、
 ひとにとって、
 記念日は大切なものなのでしょうね。


<第0743号 2014年11月9日(日)>

       小石

         家に帰ると
         ズボンの裾に
         小石がひとつふたつ
         入っている
         
         家に帰ると
         こころの裾に
         小石がひとつふたつ
         入っている
         
         その小ささが
         切なくて
         指でつまんでも
         捨てられず
         
         行って帰るそれだけで
         こうして毎日
         不思議な小石が
         増えてくる


   * 挿一輪 *

 生きていることは、
 知らず知らずのうちに、
 小石が集まるようなことかもしれません。
 
 宝石のように輝くものもあるかもしれません。
 つまらない価値のないものかもしれません。
 
 好むと好まざるに関わらず、
 小石は毎日の生活のなかでひとつふたつとたまってゆきます。
 
 生きてきた証しとするのか、
 ただ無駄な産物と見るのか。
 
 ずっと持ち続けてゆくのか。
 ある日を境にばっさりと捨ててしまうのか。
 
 どちらにしろ、
 生きているかぎり、
 不思議な小石は決してなくなりはしないのですが。


<第0742号 2014年11月2日(日)>

       あなたの縮図

         今日という一日は
         未来の縮図
         
         ひとつひとつの
         思いのすべてが
         明日をつくりだす
         
         今日という一日は
         あなたの縮図
         
         ひとつひとつの
         行動のすべてが
         明日をつくりだす
         
         だれかのせいにしては
         いけない
         良いことも
         悪いことも
         
         あなたという一日は
         あなたの縮図


   * 挿一輪 *

 運命ということばには、
 強い吸引力があります。
 
 出会いにしても、
 日常に起こるできごとにしても、
 運命ということばで説明したくなることがあります。
 
 運命ということばには、
 甘い響きもあります。
 
 にわかに説明できない行いや事象を、
 代弁してくれる便利さもあります。
 
 「運命は変えられない」
 「生まれたときに運命は決まっている」
 
 そんなことはないと思う一方で、
 どこかで諦めてしまっている自分がいませんか。
 
 ある結果には、ある原因があります。
 運命ということばはそのプロセスを隠してしまいます。
 
 今日の運命は、昨日までのあなたが関与しています。
 明日からの運命は、今日一日のあなたが関与します。
 
 今日一日をていねいに生きてみてください。
 明日もまたその生き方を続けてみてください。
 地道な積み重ねが日々をつくってゆきます。
 
 その集大成があなた自身の生き様です。
 運命と呼ばれているものはだれがつくっているのでしょうか。
 
 この確かさ、流れに気がつくだけで、
 あなたの生き方は変わってゆきます、
 すこしずつ、そして、ゆっくりと。




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