2015年2月のこびん

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<第0758号 2015年2月22日(日)>

       たったいま

         ひなたで
         ネコが眠っている
         ぽっかり
         雲が浮いている
         
         ひなたで
         こころが眠っている
         ふんわり
         夢が浮いている
         
         波紋が止まって
         昨日が消えた
         風が止まって
         明日が隠れた
         
         生きているのは
         たったいま
         どこかでポンと
         花ひらく


   * 挿一輪 *

 ふと気がつくと、
 陽ざしがまぶしく感じます。
 
 風を避ければ、
 ひなたはまるで春のようです。
 
 けれど。
 
 昨日は大変だったんだよ。
 明日からどうしたらいいんだろう。
 
 あたたかなひなたにいても、
 苦しみや心配事は尽きません。
 
 気がつくとネコがまったりと眠っています。
 じっと見ているとこちらまで眠くなってきます。
 
 そうだね、
 昨日より明日より、「いま」がいちばん大切なんだ。
 
 生きていることは、「いま」のつながりです。
 
 昨日も明日もここにはありません。
 自分が接しているのは、「いま」なのですから。


<第0757号 2015年2月15日(日)>

       刃(やいば)

         その刃は
         ぎらりとも
         光らない
         
         どんな
         セキュリティーにも
         検知されない
         
         けれど
         たった一度の
         刃の息づかいで
         
         気づかれることなく
         傷をつけ
         ときには
         いのちさえ奪う
         
         どんなにすてきな人も
         どんなにやさしい人も
         ふところに隠している
         ことばという
         刃


   * 挿一輪 *

 ことばは、刃(やいば)になります。
 どんな高性能な検知器にもかからない、
 鋭い武器になります。
 
 この武器のいちばん怖いのは、
 だれもが持っていることです。
 
 危険なことは見ためではわかりません。
 いつも他人のことを気遣う人でも、
 やさしくおだやかな人でも、
 一瞬にして刃がひらめきます。
 
 困ったことに、
 使った当人が気がつかないことも多いのです。
 
 なにげないひとこと。
 ことばを使うときは、気をつけたいですね。


<第0756号 2015年2月8日(日)>

       招待

         こころに
         ひとつ
         ぽっかりと
         もしも
         あながあいたなら
         そっと
         なにかが
         すべりこむ
         
         いつもは
         いっぱいつまってる
         ちいさな
         あなたの
         こころのなかに
         ほらチャンスだと
         すべりこむ
         
         こころに
         ひとつ
         ぽっかりと
         ときには
         あながあくときに
         いったい
         なにを
         まねきいる


   * 挿一輪 *

 隙を衝かれる、といいます。
 
 小さな隙間にするりと入りこむもの。
 
 なにかのアクシデントに気をとられてあいたこころの穴。
 その隙間には招かざるものが入りこむことが多いようです。
 
 でも、
 こころはいつも雑事がいっぱいにつまっているので、
 こころの隙間ができた瞬間は逆にチャンスかもしれません。
 
 たとえば、トラブルで気持ちが落ちこんだときに、
 いつもは目もとめなかった小さなものが、
 生きる力をくれることがありませんか。
 
 ぽっかりとあいた穴に、
 なにを招き入れるかはあなた次第です。
 
 ささやかでもやさしくあたたまる友人のようなものを、
 招待できたならいいですね。


<第0755号 2015年2月1日(日)>

       つばさ

         冬空に
         大きなつばさ
         
         ゆうゆうと
         風にのる
         
         冬空に
         こころのつばさ
         
         ゆうゆうと
         夢にのりたい
         
         あなたは
         どんなときでも
         つばさをひろげ
         風を呼ぶ
         
         ほら
         風がきた
         さあ
         風にのれ


   * 挿一輪 *

 風は突然吹きます。
 吹きそうもないとあきらめていたその瞬間に。
 
 風が突然吹きます。
 そのときすぐに反応して風にのれますか。
 
 つばさを広げて。
 おおきく広げて。
 
 準備はいつでもどこでも続けてください。




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