<第0772号 2015年5月31日(日)> うしろ あじさいの はなのうしろには しめったくらがりが まっている くさはらにねころがる あなたのうしろにも みしらぬくらがりが まっている かぜがふくまでは きがつかなかった ほほえむひかりに めをうばわれていた わたしのうしろは わたしにはみえない じっとみつめる むくなひとみだけが おどろいたように たちつくしている * 挿一輪 * 子どものころ、 だれかの背中に紙をはりつけていたずらをした覚えはありませんか。 なかには一日中気がつかない子もいました。 背中は見えません、自分には。 姿見があれば背中は見えますがそのときだけです。 自分のうしろを意識することはほとんどありません。 背中にはその人の生き方・考え方があらわれるといわれます。 自分がどんなうしろ姿をしているか気になるところですね。 <第0771号 2015年5月24日(日)> 塗る 空を塗るときは クレヨン 青 海を塗るときも クレヨン 青 とうとう使い切った 青のクレヨン もしも もう一本 青のクレヨンが あるのなら おもいっきり塗るんだ わたし自身を 青に * 挿一輪 * 大好きなことは、いまやりましょう。 もらったお菓子のように、 あとで食べようと、とっておくのはやめましょう。 そして、「待て」の声がかかるまえに、 飛びついてしまいましょう。 それにしても、 「待て」はだれが言ったのでしょうか。 まわりにだれもいなかったのに不思議です。 そう、 あなた自身でセーブしてしまった声なのです。 だから、 大好きなことは、 ひと呼吸置かずに、すぐにやりましょうね。 <第0770号 2015年5月17日(日)> 雨なのに 雨なのに 花がひらいている 虫も来ないのに 花がひらいている もう少し 待ったほうがいいと だれかが ささやいたかもしれない たったいま 花がひらいている 出し惜しみなく 全力でひらいている * 挿一輪 * 明日を恐れてしまうと、 その前の日からすべてが上の空になってしまいます。 わかっていても、 頭が恐怖観念を作ってしまい自らが苦しんでしまいます。 今日は今日の自分をすべて出し切るだけでいいのに、 それができない悲しさ。 ただいまの自分の全力で今日一日生ききること。 生きるって、その積み重ねなのでしょうか。 <第0769号 2015年5月10日(日)> さくらんぼ 花びらの ちったあとの 若葉 まぶしい こもれびに ふちどられる 紅い粒々 じっと 見つめていたら いつか 落ちてくるかしら さくらんぼ 実る頃 思わず 口ずさむ 五月の風のなか * 挿一輪 * チェリーブロッサム。 ちょっと不思議ですね、 さくらんぼの花。 日本ではサクラは花を愛でるものなので、 花が散ってしまうと樹の下は静かになりますが、 さくらんぼのためには花のあとが大切です。 つややかな大きなさくらんぼを見て思うこと、 花は実を付けるために咲くのでしたっけ。 咲かせたあとの実りが大切なのは、 サクラに限ったものではありません。 せっかくきれいに咲いたのなら、 しっかりと実りを得たいものです。 <第0768号 2015年5月3日(日)> ふ・へ・ほ ふんっ と 鼻先で笑うより へぇー と 興味を持って ほぉー と 受け入れる どんなに 小さなものでも 出会いは たからもの * 挿一輪 * なんだ、そんなことか、と、 だれかのやっていることを、 軽んじることがありませんか。 自分の興味のないことなら、 そっと見守っていればいいのに。 せっかく新しいことに出会ったのに、 頭から拒否して受け入れようとしないことも。 でもそこで、 関心を持って少しでもアプローチすると、 小さな出会いが、かけがえのない宝物になることさえあります。 ふんっ、よりも、へぇー、ほぉー、と意識を高めて、 日常のなかから宝探しをしてみませんか。 |
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