2015年7月のこびん

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<第0780号 2015年7月26日(日)>

       かなた

         海のかなたをみている
         水平線のむこうをみている
         
         海のかなたでもみている
         水平線のこちらをみている
         
         どちらでも風が吹き
         どちらでも波が打ち寄せる
         
         こんなに大きな海
         こんなに大きな海
         
         海のかなたにはあなたがいて
         海のかなたにはわたしがいて
         
         こえもすがたもとどかないけれど
         思ってみるだけでどきどきする


   * 挿一輪 *

 ゆめは大きいほうがいいですか。
 一生かけてもかなえられないほどの大きいゆめのほうが。
 
 それとも、ささやかなほうがいいですか。
 ちいさなゆめを毎日重ねてゆくほうが。
 
 夏の青い空の下、
 自分のゆめはなんだろうって、
 もういちど確かめたくなりませんか。


<第0779号 2015年7月19日(日)>

       この国で

         バラの花
         好きなひとがいる
         
         ユリの花
         好きなひとがいる
         
         キキョウの花
         好きなひとがいる
         
         そんなひとたちの住む
         国
         
         そんな国で生きている
         わたし
         
         じっと
         かんがえてみれば
         まもるものが
         みえてくる


   * 挿一輪 *

 バラの花が好きなひとを、身近で親しいひとがいたら、
 もしバラが枯れそうになったら、きっと一緒に心配することでしょう。
 
 バラの花がもし嫌いなひとがいても、
 だからといって、バラを切ってしまう人はとてもかなしい人です。
 
 好き嫌いはだれにもあり、
 お互いに好みを尊重しあうことが日常のひとつのルールだと思います。
 
 様々な個性や価値観念があることが許される国。
 
 考えてみれば、いちばん大切なことなのかもしれませんね。


<第0778号 2015年7月12日(日)>

       宝物

         部屋で
         じっとしていたら
         小さな虫が飛んできた
         
         部屋で
         じっとしていたら
         ネコの鳴き声が聞こえてきた
         
         部屋で
         じっとしていたら
         ひとすじの光が射しこんできた
         
         何もしていないというのに
         どこへもいかないというのに
         
         いつのまにか
         集まってきた
         こころのための宝物


   * 挿一輪 *

 わたしたちはたくさんのものに囲まれて生きています。
 
 必要なもの・不必要なもの。
 興味のあるもの・通り過ぎて行くもの。
 
 そのひとつひとつが、
 ほんとうはわたしたちにとって宝物なのです。
 
 けれどあまりにたくさんのものに囲まれているので、
 すべてに気がつかないだけです。
 
 そのことに気がつくと、これはすごいことだとわかります。
 宝物に囲まれた素晴らしい毎日だということが。
 
 たとえば、金やダイヤモンドは、その価値がわかるから宝物ですが、
 日常のたくさんのものが、自分に価値があるものだとわかったなら。
 
 お金がないとか、何がないとか、そのために幸せでないとか、
 もう嘆く必要はないと思うのですが。
 
 こんなにも素晴らしい宝物に囲まれた毎日・・・。
 そう、視点を変えてみませんか?


<第0777号 2015年7月5日(日)>

       うつわ

         ささくれのような
         かなしみも
         
         かなしみには
         かわりがない
         
         ささやかな
         よろこびが
         
         どんなに
         大きな報酬とも
         とりかえられないように
         
         うけとめるのは
         それぞれの
         いのちの
         うつわ


   * 挿一輪 *

 どんなかなしみやよろこびも、
 そのひとにとっては、
 唯一無二のもの。
 
 かなしみはかなしみ。
 よろこびはよろこび。
 
 その大きさを他のひとと比べてはいけません。
 
 自分のうつわでしっかりと受けとめて。




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