<第0785号 2015年8月30日(日)> 凪(なぎ) いそいだあとは ゆっくりと ゆるんだあとは すこしぴりっと 強くなったり 弱くなったり 緩急自在ができるなら 思い通りに生きられる こんをつめたら ひとやすみ あんなに自由な風だって 朝と夕にはひとやすみ * 挿一輪 * 日常はリズムが変化して、いっときたりとも同じ調子ではありません。 一本調子はどこかで破綻しがちです。 平家物語の時代から語られる無常の世界です。 疲れる前に、思いつめる前に、深呼吸で一休み。 いつも弱い人はいません。 まして強いままの人もいません。 走るときは走り、凪のときは座って海を眺める。 短いようで長い一生。 ひとときも同じいのちはないのですから。 <第0784号 2015年8月23日(日)> うた うたをうたっていますか はなうたでも ささやくようにでも うたをうたっていますか そっとまわりをみて だれもきいていなくても いいえきいています かぜがきいています そらがきいています うたをうたっていますか わたしのこえで あなたをおもって とどけてください とどけてください いちばんとおい あなたのこころに * 挿一輪 * 声を出してみてください。 うたってみるのもいいですね。 気分がいいとつい口ずさむうた。 聴いているのは自分だけ。 自分に届けとうたうのも、 励ましになりますよ、きっと。 <第0783号 2015年8月16日(日)> ドア ひとつあけると あたらしいへや ここちよくて いつまでもいたい ひとつあけると あたらしいへや ここはにがて すぐにもでたい きょうもあすも あたらしいドアを いちにちひとつ あけつづける あたらしい かぜをもとめて あたらしい わたしをもとめて * 挿一輪 * 一日一日のドアは毎日用意されています。 あなたは気持ちに関わらずあけなければいけません。 今日のドアをあけたならなにがあるのだろう。 なじみのある景色かもしれませんし、 まるで見たこともない異空間かもしれません。 でもそれが今日一日のあなたの生きる空間。 一瞬ドキッとしても居心地がよくなるかもしれませんし、 途中で突然に環境が変わるかもしれません。 この一日あなたなりに楽しむことができたなら、 次のドアの向こうでは早くも衣替えが始まっているかもしれません。 そう、ドアの向こうは変わるのです。 あなたしだいで少しずつ変わってゆくのです。 さて、明日のドアをあけるとき、 どんな景色がひろがっているのでしょうか。 <第0782号 2015年8月9日(日)> 入道雲 からっぽの 涙のかれはてた ひでりのこころに 入道雲を むくむく詰めて 入道雲を むくむく詰めて そしらぬ顔で あなたに投げる ふれ ふれ どしゃぶり雨よ ふれ * 挿一輪 * 感情をおもむくままに表現したら、 日常生活に支障がでます。 ぐっと我慢をする度合いはひとによって異なるでしょうが、 重なりたまってゆくとついには爆発しかねません。 ストレス解消をその都度おこなっていればいいのでしょうが、 その機会や方法を自分なりに持っているひとは、 意外に少ないのかもしれません。 入道雲が大きく育ってもうこれ以上耐えられないと崩れたとき、 雷とともに雨の栓が決壊して夕立になります。 入道雲、持ってもいいと思います。 思いっきり暴れて雨を降らして、 その後の涼しい風と抜けるような青空と。 ただ、 雷はどこに落としましょう? 雨はいつまで降らしましょう? 竜神様に伺いたいですね。 <第0781号 2015年8月2日(日)> ゆめの目 ゆめの目が見ている まっすぐに こちらを見ている おおきな空の 全部を使って見ている その視線に はずかしくてうつむいた さけるようにしらんぷりした けれど 汗と一緒に涙がこぼれた まっすぐ見たい じっと見返したい あなたの目とおなじなんだ わたしのなかの 澄んだ目もおなじなんだ ゆめの目が見ている 同じ目だからこそ ただまっすぐに こちらを見ているんだと ひまわりが笑った * 挿一輪 * 人生でいちばん大切なものはなんですか? 自分の「いま」です。 この瞬間に、この場所に、存在していることの、大切さ。 だからこそ、ゆめももてるのでしょう。 |
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