<第0802号 2015年12月27日(日)> ゆっくりと ゆっくりと歩いていると 空を旋回するとんびが見えてくる ゆっくりと歩いていると 陽だまりのネコが見えてくる ゆっくりと歩いていると 路傍のたんぽぽが見えてくる ゆっくりと歩いていると 風のリズムが伝わってくる ゆっくりと歩いていると こころの声が聞こえてくる ゆっくりと歩いていると どこからか笑いがついてくる * 挿一輪 * あなたの「ゆっくり」どのくらいですか。 それぞれで基準が違うと思いますが、 いちばん心地よくなる速さが、その人の「ゆっくり」でしょうか。 自分のなかに入ってくるものと、 自分のなかから出てゆくものと。 それが等分に近くなると「ゆっくり」できるような気がします。 時間の流れはどこでも変わりません。 「ゆっくり」することで、生きるための時間を使いたいですね。 <第0801号 2015年12月20日(日)> 冬至 いちばん 昼がみじかい日 いちばん 昼がぎゅっと詰まった日 だからこんなに 朝陽が濃い だからこんなに 夕陽が濃い おひさま 抱きしめて わたしは 黄金(こがね) * 挿一輪 * 一年でいちばん昼の時間が短い日。 冬至の前後は、朝陽がなかなか昇らず、 夕陽はあっという間に沈んでゆきます。 そのせいでしょうか、 太陽の光がぎゅっと凝縮されて、その色の濃いことといったら。 まだまだ冬は始まったばかりですが、 黄金色の光を浴びて、 それぞれのあたたかさをみつけたいですね。 <第0800号 2015年12月13日(日)> /(スラッシュ) 上下の関係でもない 左右の隣り合いでもない かろうじて触れる 斜めの関係 見通しがいい 勢いがある なににもまして いさぎよい たったひとつの記号が 教えてくれることがある 飾り気のない姿に 気づかされることがある * 挿一輪 * 記号を使った顔文字が話題になったことがありました。 今でも、アートに近い大作から、メールに載せる味付けまで、 様々な記号が目的以外に使われています。 でも、そのひとつひとつをじっと眺めていると、 妙に可愛かったり、思わず笑ったり、 不思議な魅力があることに気がつきます。 無機質な記号に、小さな物語が見つけられたら、 楽しい遊びになるのかもしれませんね。 <第0799号 2015年12月6日(日)> ステンドグラス ふっと光がさしこんで 鮮やかな絵が映される いままで無愛想だった顔に 微笑が浮き出るように たった一筋の光が 持っていた色彩を こうして展開させたのだ 待とう あなたのなかには こんなにも鮮やかな絵が じっとひそみつづけている * 挿一輪 * 他人のこころは見えません。 目の前に話している相手でも、 その気持ちは表情や仕草で判断することはできたとしても、 何を思い、考えているのかは、推し量ることはできません。 実は考え方の違い方からの誤解が生じることは少なくはありません。 とかく自分の慣習から、思い込みをしてしまいがちなのです。 ステンドグラスに光が差し込んで初めてその絵が浮かび上がるように、 曇りない目がもてたらいいですね。 |
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