2016年6月のこびん

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<第0828号 2016年6月26日(日)>

       はれま

         あめの
         晴れ間には
         いそいで
         せんたくを
         
         なみだの
         晴れ間には
         みつけて
         ほほえみを


   * 挿一輪 *

 雨が続くと足元ばかりに目が行くようになります。
 
 傘のなかから見あげても空は雨雲の灰色。
 ただ気持ちも沈みがちです。
 
 でも雨が降り続いても時おり晴れ間が訪れます。
 つかの間の青い空。
 さあ、たまっている洗濯物を干すのは今のうち。
 
 大きな青空は雨の向こうで待っています。
 気持ちの上での青空もいつでもじっと待っていますよ。


<第0827号 2016年6月19日(日)>

       ごほうび

         あなたをじっと見ていたら
         あなたを分かろうと見ていたら
         
         まわりが少し明るくなった
         空気が少しやわらかくなった
         
         あなたをじっと見ることで
         一途になって見ることで
         
         まわりがふわっと見えてきた
         見えないだれかの小さなごほうび


   * 挿一輪 *

 ひとつのことをただ一途にやっていると、
 いつのまにか他のことが良くなっていることがあります。
 
 結果が例えでなくても、続けて飽きずに精進していると、
 思わぬところで別の結果が出ることがあります。
 
 神様からのごほうびなのでしょうか。
 
 目的の結果が出なくても、必ずどこかで報われています。
 あなたの続けていること、やめないでがんばってください。


<第0826号 2016年6月12日(日)>

       生きているとは

         生きているとは
         ここに
         咲くことだろう
         
         生きているとは
         ここで
         鳴くことだろう
         
         生きているとは
         ここで
         笑むことだろう


   * 挿一輪 *

 生きている実感がない。
 ふわふわとしてどこか足につかない。
 どこへ行けばいいのでしょうか。
 
 生きていることは、
 なにげなく思われる必然のなかで、
 確かめられます。
 
 花は咲くことで確かめられます。
 鳥は鳴くことで確かめられます。
 同じように
 ひとはふと笑うことで確かめられます。
 
 しっかりと生きている自分を、
 あなたは、いま、ここで、確かめられます。


<第0825号 2016年6月5日(日)>

       聴いてごらん

         聴いてごらん
         風が触れたひとたちの声を
         
         聴いてごらん
         はるか遠いひとたちの声を
         
         聴いてごらん
         あなたを通り抜けるときの
         風の声
         
         聴いてごらん
         通りすぎたひとたちの声を


   * 挿一輪 *

 風がなにかに触れたとき音が聞こえます。
 電線や樹の葉、カーテンや風鈴の音。
 
 風はもっとたくさんのものに触れ、
 聞こえない音も発しています。
 
 ひとをすり抜けたときどんな音がするのでしょうか。
 あなたを通り抜けたときどんな音がするのでしょうか。
 
 耳を澄ませて聴いてみてください。




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