2016年11月のこびん

戻る


<第0850号 2016年11月27日(日)>

       できごと

         雪明けの
         枯れ草の陽だまりに
         ネコが一匹
         ウトウトしている
         
         好きなことで
         あれこれ悩むことは
         不思議と
         たのしい


   * 挿一輪 *

 毎日起こるたくさんの出来事。
 
 自分にかかわりがあるのはほんの一部なのでしょう。
 
 それでもそのささやかなことに悩み振り回され。
 
 しばらくは引きこもりたいと思うことも。
 
 でも、雪明けの青空の陽だまりについ誘われて深呼吸してみると。
 
 ひとつひとつていねいに向き合うことが必要ですね、きっと。


<第0849号 2016年11月20日(日)>

       やくそく

         やくそくしよう
         ささやかなことでいい
         ひとつでいいから
         やくそくしよう
         
         やくそくしよう
         だれにしよう
         たいせつなひとに
         やくそくしよう
         
         やくそくしよう
         だれもいなかったら
         かがみをみつめるめに
         やくそくしよう
         
         やくそくしよう
         きょういちにちの
         いきたあかし
         やくそくしよう


   * 挿一輪 *

 生きることは小さな積み重ねをすることです。
 
 ひとつひとつの行いと結果が次の生き方を決めてゆきます。
 
 歩みはとてもゆっくりなので見た目はなにも変わらないように見えます。
 
 上り坂をしばらく歩いてふと振り返ると上ったことがわかるように、
 結果を見るにはしばらくの時間が必要です。
 
 なかなか見えなくてくじけそうなとき、
 小さな約束をしてみてはどうでしょうか。
 
 今日はもう怒らないこと、とか。
 ひとつお手伝いをすること、とか。
 一回は空を見あげること、とか。
 
 約束を守った自分を明日につなげるための小さなおまじない、ですね。


<第0848号 2016年11月13日(日)>

       きねんび

         まっしろなカレンダー
         きょうといういちにち
         とくべつないちにち
         
         うまれた ひ
         であった ひ
         つぎのいっぽの ひ
         
         きずついた ひ
         ふっとかおをあげた ひ
         ひかりをあおいだ ひ
         
         ひとりになった ひ
         みおくりの ひ
         わかれの ひ
         
         うまってゆくカレンダー
         きょうといういちにち
         わたしだけのきねんび


   * 挿一輪 *

 一年には祝日以外にも多くの記念日があります。
 
 毎日の記念日を記載したカレンダーもあるくらいで、
 この日はどんな記念日かと見てみると、
 一年中記念日でない日はありません。
 
 共通の記念日は別として、個々の記念日も多いと思います。
 
 誕生日から始まって結婚記念日や特別な節目や出会いの記念日。
 自分なりの記念日でカレンダーを埋めることもできるのでは。
 
 今年はじめてサザンカの花を見た日。
 大切なペットとが病気になって、そして元気になった日。
 欲しかった本やCDを手に入れた日。
 
 毎年毎年記念日が増えて、それを日記代わりに残してゆく。
 一行だけでも楽しんで続けられるかもしれませんね。


<第0847号 2016年11月6日(日)>

       たしかに

         ひっそりと
         かべのすみに
         らくがきが
         ねむっている
         
         あきのななめのひが
         かすれたもじを
         くすぐっている
         
         とじこめたじかんが
         とけだしたように
         いぶされたなつかしい
         においがする
         
         あのとき
         たしかにここにいたわたし
         いまもこうして
         たしかにここにいる


   * 挿一輪 *

 あなたにとってたしかなこと。
 いまここにあなたがいること。
 
 あたりまえのようできせきのようなこと。
 かわらぬようでふしぎなこと。
 
 なんでもないものが秋の陽ざしに照らされると、
 そこだけがふっと浮き上がるように、
 あなた自身もスポットライトに照らされるように浮かびます。
 
 秋の日の特別のごほうび。
 あなた自身を大切に生きてくださいね。




このページのトップに戻る

Copyright© 2016 Kokoro no Kobin