2017年9月のこびん

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<第0893号 2017年9月24日(日)>

       だいて

         だいて
         だいて
         だきしめて
         だきしめつづけていると
         
         いつか
         いつか
         いつのまにか
         ほんとうにいつのまにか
         
         わたしの
         ひとつの
         いのちから
         いつくしみがうまれてくる

         

   * 挿一輪 *

 わからなくなったら、抱きしめること。
 
 欲望だの未練など非難を受けたとしても、
 わからないまま、抱きしめること。
 
 手放さないであきらめないで抱き続けていれば、
 自分のなかになにかが生まれてきます。
 
 外からもらったものでも、自分の一部にすれば、
 かならず、糧になるはずですから。


<第0892号 2017年9月17日(日)>

       よりどころ

         あなたが
         とおりすぎた
         いっぽんの
         き
         
         わたしは
         たちどまり
         そっと
         みあげる
         
         うなずくように
         かぜがふいて
         ほほえむように
         ひかりがあたる
         
         だれもが
         とおりすぎる
         いっぽんの
         き
         
         わたしは
         たちどまり
         またくるねと
         あるきはじめる

         

   * 挿一輪 *

 あなただけの、特別な場所、ありますか。
 
 あなただけの、思いを伝えるもの、ありますか。
 
 他の人にとっては、ただのものにすぎなくても、
 あなたにとっては、かけがえのないモニュメント。
 
 ありふれた一本の樹でもいい。
 身近の一本の花でもいい。
 
 あなただけの、ほっとするもの、ありますか。


<第0891号 2017年9月10日(日)>

       わたし を

         わたし を
         いれてみよう
         くさのはのがくぶちに
         
         わたし が
         ふれてみよう
         つゆをすべるひかりに
         
         わたし と
         はなしてみよう
         くびをかしげたはなに
         
         わたし を
         とかしてみよう
         うけいれられたえみに

         

   * 挿一輪 *

 景色のなかのわたし。
 
 どこかよそよそしさに包まれてなじめない。
 
 それは傍観者だから。
 
 景色に溶けて、景色そのものになればいい。
 
 どこかほっとする気持ちになれたなら、景色の一部になっています。


<第0890号 2017年9月3日(日)>

       むねにきざむ

         わたしがきらいなことは
         あなたにしない
         
         わたしがいやなことばは
         あなたにかけない
         
         わたしがかなしむことは
         あなたにみせない
         
         わたしがくるしいときは
         あなたになげない

         

   * 挿一輪 *

 「自分の胸に手を当ててようく考えてみなさい」
 
 子どものころ、母に良く言われたことばです。
 
 嫌なことを、だれかにされたり、言われたりした時の辛く悲しい気持ち。
 それなのに、だれかに同じ気持ちを与えてしまった時の後ろめたさ。
 
 同じ気持ちを伝えるのにも、
 ことばひとつで、笑顔を引き出したり、逆に深く傷つけたり。
 
 いつも他人の立場にたって考え行動しなさいということでしょうか。
 
 自分が嫌なことは、他人も嫌。
 よく考えてみると、この当たり前のことができない自分がいます。





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