<第0898号 2017年10月29日(日)> こすもす いつも あこがれをもっている いつも やさしさをもっている かなたをみつめる そのめをみればわかる いつも かなしみをもっている いつも えみをうかべている かたわらにたたずみ かぜをかんじればわかる あなたのなまえは こすもす わたしのなまえも こすもす * 挿一輪 * 秋の風にコスモスがゆれています。 すぐに倒れてしまいそうでそっと手を添えたくなる花です。 けれどどんなに強い風でもコスモスはしっかりと見ています。 かなしいとき、うれしいとき。 目を伏せながら、目を細めながら、決して目をそらさない。 そんな強さがいのちには必要なのかもしれませんね。 <第0897号 2017年10月22日(日)> きんもくせい すれちがうと においがする ひとでも はなでも においがする ふっとたちどまって かたわらの かぜにきく わたしがとおると どんなにおい なにもいわずに かぜはかけぬける * 挿一輪 * ふっと匂うのはきんもくせいの花。 考えごとをして歩いていても呼び止めてくれます。 声でもなく、輝きでもなく、匂い。 わたしたちは、五感を持つぜいたくな生き物かもしれませんね。 <第0896号 2017年10月15日(日)> あめあがる あめがふるのは くものしただけ かさをさすのは あめのしただけ ふりかえらずに あるいてゆけば あめつぶひかる こころのひろば おおきなそらが まっててくれる * 挿一輪 * 雨の日が続くと気分が落ち込みやすくなります。 傘をさしていると、狭い空間に圧迫感を感じます。 でも、雨があがると、 雨粒のきらめきがとてもきれいなことに気づきます。 傘を閉じて見上げれば、雲の上はいつも青空。 すがすがしさに出会うために、 雨のなかでもしっかりと歩いてゆきたいですね。 <第0895号 2017年10月8日(日)> すきま りょうてをあわせると ゆびさきに あなたへのすきま りょうてをあわせると てくびに わたしへのすきま りょうてをあわせると てのひらに かみさまへのすきま * 挿一輪 * すきまは、不思議な空間です。 ふとした拍子になにかが覗いているのに気がつきます。 人間のからだはそんなすきまだらけかもしれません。 ほら、ぴったりしすぎるとだれも近づけません。 すきまは、不思議に必要なものなのです。 <第0894号 2017年10月1日(日)> おくる おくるものは えがおがいい きれいなつつみで よそおうこともないし であったいっしゅんで わたすことができる もらうものも えがおがいい どんなにもつがあっても ひょいとうけとれるし いちどうけとったら いつもわすれないから * 挿一輪 * なにを贈ったらいいのか、悩むことがあります。 その人の好みが分からない場合は、なおさらです。 こころのこもった贈り物。 もしかしたら、形のないものがうれしいのかもしれません。 |
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