2018年8月のこびん

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<第0941号 2018年8月26日(日)>

       いってん

         いま たっている
         この いってんまで
         ずっと
         あるいてきたのだから
         
         いま たっている
         この いってんから
         さいど
         あるきつづけること
         
         あのひ くじけて
         あるくのをやめた
         べつの
         じぶんがいたのなら
         
         はるかとおく
         とぎれたてんが
         きせきにもならず
         のこるだけ

         

   * 挿一輪 *

 線は点が連なったものです。
 
 あなたが立っているこの地点は点かもしれませんが、
 それは連なった線の一部なのです。
 
 どの一点も線にとっては必要不可欠なものです。
 
 点を続けてください。
 
 続けることが、あなた自身の生きた軌跡なのですから。


<第0940号 2018年8月19日(日)>

       カサをなくして

         カサをなくして
         あめにぬれた
         
         カサをなくして
         ひにやかれた
         
         カサをなくして
         ひとりをしった
         
         かさをなくして
         おおぞらをしった

         

   * 挿一輪 *

 失ってはじめて大切なことがわかります。
 
 今まで知らなかったわけではありません。
 
 けれど、目の前からいなくなったことは、本当にわかるまで、
 ずいぶん時間がかかるものです。
 
 失わないとわかりません。
 
 けれど、失ったあとでも、いまだわかることのいない時間が続きます。


<第0939号 2018年8月12日(日)>

       いかり

         あついなつが
         おもちをやいて
         にゅうどうぐもが
         とびだした
         
         あついわたしが
         がまんをこえて
         かみなりぐもが
         とびだした
         
         ゆうだちの
         あめのなごりは
         はなのおくまで
         ツーンとしみて
         
         ゆうだちの
         あめのたよりは
         めじりからのびる
         にじのかけはし

         

   * 挿一輪 *

 いちばん難しいのは、怒りのコントロールだといわれます。
 
 一日中、穏やかに過ごせればいいのですが、
 感情の起伏のない日は少ないのではないでしょうか。
 
 怒りの持ち方、怒りの捨て方、それぞれですが、
 雷に匹敵するエネルギー、逆に有効活用できるといいですね。
 
 虹が美しいのは、こころもからだもすっきりとしたからでしょうか。


<第0938号 2018年8月5日(日)>

       よはく

         よはく
         が すきです
         
         ぎょうかん
         が みりょくです
         
         なんにもない
         と おもっていると
         
         さらち
         は じかんです
         
         あおぞら
         は かぜです
         
         なにかないか
         と さがしていると
         
         わたし
         が かわります
         
         いのち
         が わらいます

         

   * 挿一輪 *

 なんにもないと思っていても。
 
 じっと見つめると、ほら、浮き出てくる。
 
 ある、ように見えることより、ない、ように思えることのほうが、
 実は、とっても楽しいことです。
 
 まず、なんにもないもの、を探してください。
 
 そこから、とびらは開きます。






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