2018年12月のこびん

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<第0959号 2018年12月30日(日)>

       まちます

         はねをください
         おおぞらをとぶとりの
         いちまいぬけたはねを
         
         このはをください
         かさかさかぜに
         おともなくおちるはを
         
         なみだをください
         とどまれきれずに
         あふれおちるなみだを
         
         あなたをください
         わすれたふりをして
         さよならしたじかんを
         
         わたしのてにとって
         わたしのむねにだいて
         じっとみみをかたむけて
         
         わたしはまちます
         いっしょにまちます
         ただじっとまちつづけます
         
         こおりのような
         つめたいねむりが
         ひだまりのぬくもりを
         とりもどすまで

         

   * 挿一輪 *

 時の流れが必要なことがあります。
 
 じっと、からだにこころにしまって、待ちつづけることが。
 
 結果が出ないかもしれません。
 
 いつまでもいつまでも待ちつづけて、忘れるほど待ちつづけて。
 
 でも、あきらめずに捨てないでとっておきます。
 
 なぜでしょうね。
 
 もしかしたら、それが、生きるということかもしれません。
 
 こころもからだも家のなかも、そんなものでいっぱいです。


<第0958号 2018年12月23日(日)>

       みちしるべ

         はしりがきでいい
         なぐりがきでいい
         ちいさなきれはしに
         ノートのかたすみに
         
         あなたがみたままを
         あなたがきいたままを
         あなたがかんじたままを
         わすれないうちにすぐ
         
         そらのくもはきえるけど
         いまのきおくはきえるけど
         きざまれたひとつのせんは
         あなたのたしかなデッサン
         
         かわのこえはきえるけど
         きのうのゆめはきえるけど
         まよったときのやじるしは
         あなたがかいたみちしるべ

         

   * 挿一輪 *

 忘れないためには、すぐに、メモをしたり、絵に描いたりすること。
 
 特に忙しいときには、後で思い出す糸口になって便利です。
 
 自分だけのメモ帳、自分だけのデッサン帳。
 
 あなたが刻んだ道しるべは、新たなアイデアへと導いてくれます。


<第0957号 2018年12月16日(日)>

       ねいろ

         こえを
         だして
         よんでください
         
         こえを
         だして
         えんじてください
         
         ほら
         あなただけの
         ねいろがでます
         
         どこにもない
         たったひとつの
         がっきから

         

   * 挿一輪 *

 ひとのからだは、成長する楽器です。
 
 生きてゆく時間や経験につれて、その音色は変わってゆきます。
 
 同じ声を持ったとしても、想いの入れかたによって声は変化します。
 
 歌にならなくても、ことばにならなくても、楽器は鳴ります。
 
 あなただけの音色、大切にしてください。


<第0956号 2018年12月9日(日)>

       おくりもの

         いちまいの は
         だから
         ほそいいとでも
         ひきとめられる
         
         いちまいの は
         だから
         わずかなかぜで
         くるくるまわる
         
         いちまいの は
         だから
         さしこむみつに
         りんとかがやく
         
         いちまいの は
         たった いま
         うけとった
         おくりもの

         

   * 挿一輪 *

 ほんとうにすてきな贈りものは、たったいま という時間です。
 
 時間は見えません。
 
 けれども、さまざまな形を借りて、あなたの前に現れます。
 
 目で見えるものかも、耳で聴こえるものかも、触るものかもしれません。
 
 ほんのかすかなサインなので、注意していないと見逃します。
 
 ほんとうにすてきな贈りものは、受け手を待っています。
 
 あなたは、気がついて、受け取れるのでしょうか。


<第0955号 2018年12月2日(日)>

       いいな

         ああ
         いいな
         
         そう
         かんじたとき
         
         あなたは
         のぞきこんでいる
         
         こころの
         かがみを

         

   * 挿一輪 *

 絵でも、音楽でも、だれかに出会っても。
 
 ああ、いいな、と、思えるとき。
 
 あなたは、とても澄みきった気持ちになっています。
 
 いいものに、出会うこと。
 
 それは、あなたのなかに眠っていた、いいものと、出会うことです。






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