2019年2月のこびん

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<第0967号 2019年2月24日(日)>

       ふれる

         はるが
         ちかづくと
         ふんわりと
         ふれることができる
         
         はるが
         ちかづくと
         そっと
         ふれることができる
         
         どんなにつめたくても
         どんなにきびしくても
         あいてをおもうことで
         
         あなたのひとみは
         あなたのこころは
         はるのゆびさき

         

   * 挿一輪 *

 そっと触れることが、いちばん難しいように思います。
 
 そっと、というのは、触れられる側の思いだからです。
 
 相手のことをおもんばかって、それでも、そっと、ができるでしょうか。
 
 いつでも、どこでも、そっと、を忘れないようにしたいですね。


<第0966号 2019年2月17日(日)>

       はじまる

         まっすぐにたつ
         きのてっぺん から
         ひかりあそぶ
         まっかなやね から
         
         あるきとまった
         わたしのあたま から
         ながくのびする
         ねこのせなか から
         
         まんめんのえみ
         たんぽぽのはな から
         うごきはじめた
         ありのしょっかく から
         
         だれかのそらが はじまる
         はるかなそらが はじまる

         

   * 挿一輪 *

 空は、どこからはじまるのでしょう。
 
 それぞれの自分のてっぺんから、はじまるのでしょうか。
 
 あなたの空は、あなたの上からはじまります。
 
 見上げると、ふっとめまいがしそうな高さです。
 
 そして、あなた自身も、だれかの空にいます。


<第0965号 2019年2月10日(日)>

       いって かえって

         うめのはないちりん
         まっすぐにみている
         ここにいるのは
         わたしといまのじかん
         
         うめのはないちりん
         ふっとタイムトラベル
         いっしょにみあげた
         もういないひとたちと
         
         ここにじっとたたずみ
         はるかとおくにとび
         ひだまりにたちつくす
         
         いって かえって
         かえって いって
         くりかえすいつまでも

         

   * 挿一輪 *

 目の前にあるものは現実です。
 
 現実にいながら、わたしたちはふっと飛んでゆきます。
 
 昔の思い出に。明日の予定に。
 
 悲しいこと、うれしいこと、心配ごと、待ちのぞむこと。
 
 目の前の景色だけが、それを見ている自分だけが、いま、ここ、です。
 
 行って帰って、帰って行って、また行って帰って。
 
 繰り返しの中でわたしたちは生きています。
 
 いま、ここ、だけが、本物。
 
 そう、なにがほんとうに大切か、見えてくれば、すてきです。


<第0964号 2019年2月3日(日)>

       おには そと

         おには どこだ
         おには そと
         ふくは どこだ
         ふくは うち
         
         おには だれだ
         おには そと
         ふくは だれだ
         ふくは うち
         
         わたしが きえたら
         どうしよう
         このまめ おえたら
         どうしよう
         
         おには そと
         ふくは うち

         

   * 挿一輪 *

 ひとのなかには、鬼も住み、福も生まれます。
 
 もしかしたら、正面がひとで、その左右が鬼と福。
 
 阿修羅像の三面の顔に似たものかもしれません。
 
 どの面がいつ出るか、のではなく、
 
 どの面もその角度によって、見える割合が異なるだけです。
 
 鬼は悪ではありません。
 
 福は善ではありません。
 
 すべてがありのままの自分だと思うと、見方が変わるかもしれませんね。






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