<第0972号 2019年3月31日(日)> おもいつづける はるのかぜを てのひらに のせて ぱっととじる ぬくもりと ひやっこさ さくらいろの でんごんばん かぜはとけて からだをめぐり ふたたびそらに かぜはとけて からだをめぐり だいちのたんぽぽに * 挿一輪 * 思い続けることは自分にしかできません。 だれかを。 なにかを。 ただひたすら慕い想い続ける。 そこには理由はいりません。 大切なのは、その主人公は、自分自身だということです。 だれのせいにもしない、だれの手にもまかせない。 強い気持ち。 それが、自分自身の生きている証なのですから。 <第0971号 2019年3月24日(日)> はるのかぜ はるのかぜを てのひらに のせて ぱっととじる ぬくもりと ひやっこさ さくらいろの でんごんばん かぜはとけて からだをめぐり ふたたびそらに かぜはとけて からだをめぐり だいちのたんぽぽに * 挿一輪 * 暖かなような、冷たいような、春の風。 吹き抜けながら、立っている自分のからだにおすそ分け。 なにかが始まるような、不思議な感触。 見上げる空も、足元のタンポポも、春の伝言板。 <第0970号 2019年3月17日(日)> いちめんの じゅうたくちに ぽつんと のこされた ちいさなはたけ さくもつを うえるまえの はるさきの ちいさなはたけ わきめもふらずに ひかるスマホがすぎ だれもきがつかない はたけいちめんの はたけいちめんの はなのおくりもの * 挿一輪 * 春は花の季節です。 テレビの番組で紹介された花の見どころには多くの人が押し寄せます。 時には、花より人を見に行ってるのではないかと思われる場所も。 でも、身近の場所に思わぬすてきな場所があります。 遠くにでかけるのもいいのですが、身の回りにも良いものがいっぱい。 日常は、いちばんの宝箱なのですから。 <第0969号 2019年3月10日(日)> さいかい はじめて あなたにあうのに このとまどいは どうだろう いつかどこかで あなたとならんで なにかを はなしたのだろうか そうしゅんのそらの ほんのかたすみの ちいさないたずら あなたとわたし さがすものがある つたえあうことがある * 挿一輪 * 早春。 土だけの大地から緑の芽が出て、枝の先から緑の芽が出て。 一年ぶりの再会です。 通り過ぎたものも、季節がめぐると帰ってきます。 ほんとうは同じものではないけれど、また会えたねと、声をかけて。 そんな自分も、変わったけれど、また会えたねと、声をかけられて。 陽ざしのなかで、なにか、話をしましょうか。 <第0968号 2019年3月3日(日)> ひなまつり ふくらんだ きのめ たかいそらに さわるところ おだいりさまとおひなさま ふくらんだ きのめ つめたいかぜに ゆれている ならぶ さんにんかんじょ みあげても てのとどかないところ はるは まっている あしもとのみずたまり ゆびさきのふれるところ はるは まっている * 挿一輪 * まだ風は冷たくて指先も凍えますが、温めるように春の声がします。 枯れ木のような樹にも、枝先をじっと見ればふくらんだ芽が見えます。 空に接するあたり、よく見るとそんな芽が仲良く並んでいます。 二つのものや、三つのもの、まるでおひなさまの人形のようです。 自然のなかの、春を呼ぶひな祭り。 あなたも探してみてはいかがでしょうか。 |
|||
Copyright© 2019 Kokoro no Kobin