2019年7月のこびん

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<第0989号 2019年7月28日(日)>

       がくあじさい

         わたしのひとみ
         ささやくかおり
         いつからねむる
         いくつもねむる
         
         わたしのこころ
         やわらかなかぜ
         ほらかざぐるま
         あらたなであい
         
         こつぶのてまり
         まっているいま
         やわらなつぼみ
         
         いろでなぞって
         うまれることば
         つたえてあげる

         

   * 挿一輪 *

 ガクアジサイは不思議な花です。
 
 花と思われているのは、実は大きなガク。
 
 まんなかにひっそりと集まるのが、粒々のつぼみ。
 
 開いたときに、どんなことばが伝わるのでしょうか。
 
 耳を押し当てて聞いてみたい。


<第0988号 2019年7月21日(日)>

       だれかに

         だれかに
         みまもられている
         みなみからのかぜに
         つつまれるように
         
         だれかに
         おもわれている
         いまはもういなくなった
         なつかしいひとに
         
         ひとりで
         いきてゆくことは
         たいせつなことだけれど
         
         ひとりを
         つくりだすもとは
         まなざしたちのおかげ

         

   * 挿一輪 *

 ひとりは、生きてゆく基本の単位です。
 
 ひとは、ひとりで生まれひとりで帰ってゆくからです。
 
 ひとりは、強いし、大切な生き方です。
 
 けれど、ひとりはその母から生まれ、多くの思い出を残して帰ります。
 
 見えないけれど、触れられないけれど、信じ守られるもの。
 
 ハッと気づくと、神様とおなじものが、いつもたたずんでいます。
 
 日常は、身のまわりの宝箱ですね。


<第0987号 2019年7月14日(日)>

       あしたって

         あしたって
         なんだろう
         あしたって
         なんだろう
         
         わたしにとって
         いまおもう
         あしたって
         なんだろう
         
         おもう
         いまが
         とってもたいせつで
         
         あしたは
         わたしの
         どこにいるのだろう

         

   * 挿一輪 *

 明日ってあるのでしょうか。
 
 行ってみないとわかりません。
 
 実際に行ってみると、そこはもう別の今日になっています。
 
 明日って、描くだけで確かに触れるものではないのです。
 
 確かなものは、いま。
 
 まずは、いちばん確かなものをしっかりと、つかまなければ。


<第0986号 2019年7月7日(日)>

       ねがい

         いま
         ここ
         わたしの
         さいせんたん
         
         いま
         ここ
         いのちの
         さいせんたん
         
         ねがいは
         ひとつ
         たったひとつ
         
         うまれる
         かぜに
         きざむもの

         

   * 挿一輪 *

 毎日、人生を歩きつづける、わたし。
 
 その最先端は、たったいま、ここにいる、わたしです。
 
 未知との接点は、風も雨も陽光も、このわたしが真正面で受けます。
 
 その覚悟が決まれば、わたしの願いが、輝いてゆきます、きっと。






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