<第0993号 2019年8月25日(日)> くものす わたしを だいてくれるひとは もうここには いない わたしを まってくれるひとは もうよんでも こたえない だきしめてほしいとき よびかけたいとき どうすればいいのだろう くもになってすをつくる ひかるきおくがつらなる あさつゆのゆりかごの * 挿一輪 * クモの巣は好きではありません。 街中でもなにかの拍子に顔にかかると思わず身震いしてしまいます。 クモにとっては生きる糧を得るための方法なのでしょうが。 そんなクモの巣に思わず見とれてしまうことがあります。 雨上がりの早朝の輝くレースを見たときです。 不思議と子供のころを思い出します。 ひとは記憶がある限り、ひとりぼっちではないと思う瞬間です。 <第0992号 2019年8月18日(日)> せみしぐれ ないて ないて ないて ないて ないて ないて からっぽになり とまる ないて ないて ないて ないて ないて ないて かぜがささやき とまる するどいくちが うずき きらめくはねが うずき おもいでに みみをすます おおきなくもとあついだいち なつのかなしみは なみだをもとめてせみになる * 挿一輪 * せみしぐれを聴いていると、樹の梢になりそうです。 せみしぐれに包まれると、からっぽになりそうです。 なにも考えずに、自分の身もこころも預けてしまえるもの。 生きているうちに、いくつ出会えるでしょうか。 <第0991号 2019年8月11日(日)> かんじる ひかりにならない ひとことをかけられて いちまいの しゃしんをきりとる こえにならない デッサンをみせられて ひとつの ことばをつむぎだす はるかかなた あのなつぞらのましろから かぜはうまれてくる いつでもかんじるのは わたしが ほら ここでいきているから * 挿一輪 * 見て、聴いて、触れて。 あなたがまわりのものを感じるのは、生きているから。 生きているからこそ、感じたものとの関わりあいを受け取り続けます。 いろいろなツールを使っての表現は、生きていることの証し。 あなたに相性の良い、千差万別のものを使いこなして、発信してください。 なぜなら、最大の、発信先は、そう、自分自身へ、ですから。 <第0990号 2019年8月4日(日)> きらい すき カウントダウンが きらい ひとつひとつ であいがきえてゆくようで だいじなひをすててゆくようで カウントアップが すき ひとつひとつ あたらしいかぜのようで じぶんがつくられてゆくようで きりすてたものはのこらない つみあげたものはたまりゆく たとえささやかなものであれ スリー・ツー・ワン・ゼロ より ワン・ツー・スリー のほうが ひろいうちゅうのようで すき * 挿一輪 * カウントダウンは、ながされているようでイヤです。 一見、調子がいいようにみえて、何も残らないような気がします。 単に、自分の好き嫌いのようにも思えますが、 積み上げてゆくカウントアップのほうが好ましく思います。 どちらにしろ、好き嫌いは、はっきりとしたほうが、すっきりします。 違和感を持ったなら、逆の見かたを試してみるというのも必要ですね。 |
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