2019年10月のこびん

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<第1002号 2019年10月27日(日)>

       うた

         みみをすませて
         こえをきく
         リズムにゆだねて
         おとをきく
         
         みみをすませて
         こどうをきく
         こころにあわせて
         おんぷをよむ
         
         ごせんのうえで
         かぜのことばと
         うたうのならば
         
         ひとつひとつの
         いのちのうたが
         かがやくうたに

         

   * 挿一輪 *

 生まれてからいままでのあいだ、たくさんの音に出会いました。
 
 その場では通り過ぎてしまった無数の音は、何かの折に戻ってきます。
 
 「あ、この音は」「あ、このリズムは」
 
 時に、懐かしい光景や見続ける夢へとリンクするかもしれません。
 
 時に、涙や思い出し笑いにつながるかもしれません。
 
 外に出たら、景色に目をやり、音たちのうたに耳をかたむけませんか?


<第1001号 2019年10月20日(日)>

       ここに

         たすけられることがある
         だきしめられることもある
         つきはなされることがある
         きずつけられることもある
         
         まっすぐにすすみたくても
         おおきなゆめをめざしても
         とつぜんのあしどめがある
         みちをとざされることもある
         
         どんなりふじんなかぜがきても
         てをうごかせばなにかができる
         いっぽすすめばけしきがかわる
         
         いきつづけるいのちがある
         まもりつづけるばしょがある
         かがみをみれば わたしがいる

         

   * 挿一輪 *

 だれかがくれた、このからだ。
 
 育て、守るのは、自分自身です。
 
 挑戦して、試行錯誤して、生き続けて。
 
 思いもかけないときに、もらえます、わたしという、ご褒美が。


<第1000号 2019年10月13日(日)>

       ならんで

         ならんで ひつじぐも
         ならんで しぶおんぷ
         ならんで すずめたち
         ならんで すきなこと
         
         ならんで ながいかげ
         ならんで きのこずえ
         ならんで せびょうし
         ならんで ひとりごと
         
         ならんで わらいごえ
         ならんで なみだつぼ
         ならんで こだまたち
         
         ならんで あさのつゆ
         ならんで おくりもの
         ならんで いま ここ

         

   * 挿一輪 *

 生まれてから、たったいままで。
 
 振り返ると、だれにでも、ずっと並んでいるものがあります。
 
 生きていること、それぞれのいのちの時間です。
 
 三日坊主、なにをやっても長続きしないと嘆くことが多いのですが、
 
 意識していなくても、続いているのが、いのち。
 
 そのいのちに「個性」を育んだのが、あなた。
 
 あなたに触れたその瞬間、無色の風もあなた色の風に変わります。
 
 たったひとつのあなた、これからも歩み続けてください。


<第0999号 2019年10月6日(日)>

       あきに

         くっくっくっ
         はとがないている
         るっるっるっ
         ねこがのどをならす
         
         ふっふっふっ
         あなたがわらう
         とっとっとっ
         こどうがかけてゆく
         
         すんだかぜがふきぬけ
         のっのっのっ
         よびかけるましろなくも
         
         あきのまんなかでいま
         そっそっそっ
         そらのひとみのわたしです

         

   * 挿一輪 *

 秋は空気が澄んでいて、音が遠くまで濁らずに伝わります。
 
 秋は空気が澄んでいて、こころもそのままに伝わります。
 
 良いことも悪いことも、楽しいことも悲しいことも。
 
 しんとして、すべて受け入れて、だれもが透明人間になれるかな?






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