2020年4月のこびん

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<第1028号 2020年4月26日(日)>

       めかがみ

         きみのめを
         じっとみつめたら
         きみのめに
         ぼくがうつっている
         
         ぼくのめを
         じっとみつめるきみは
         ぼくのめに
         きみをみているのだろうか
         
         そらはどこまでもあおく
         うみのにおいをよぶかぜは
         ひとみもとおるこころいろ
         
         めはみるだけでなく
         かがみにもなることを
         きみにおしえてもらったね

         

   * 挿一輪 *

 のぞきこむと、自分が映っている。
 
 相手を通して、自分を見る。
 
 姿も、そして、こころも。
 
 身のまわりには、かがみが無数に隠れています。
 
 じっとみつめることが、発見につながります。


<第1027号 2020年4月19日(日)>

       はなのみち

         はなのみちは
         どこにある
         はなのみちは
         ここにある
         
         みちをさがしていた
         どんなみちか
         じぶんでも
         わからないままに
         
         めのまえに
         ふっとあらわれて
         これがさがしていたみち
         
         いつもさがしていたからこそ
         こうしてめのまえに
         はなにつつまれたみち

         

   * 挿一輪 *

 ふと見つけた、花の道。
 
 ずっと、探し続けていても、見つからなかった道。
 
 苦しい時でも、あきらめずに、ずっと思い続けた道。
 
 分からなくても、宙ぶらりんでも、ひそかに思い続けた道。
 
 あきらめずに求めてゆけば、いつかどこかで見つかる道。


<第1026号 2020年4月12日(日)>

       とおくへ

         ブロッコリーをゆでている
         においがする
         
         からすのなきかわす
         こえがする
         
         どこかとおくで
         てつどうの
         そのまたむこうで
         くりかえすなみの
         
         みあげると
         どこまでも ただ そら
         
         めをとじたなら
         とおくへゆけるだろうか

         

   * 挿一輪 *

 遠くへ行きたい。
 
 そんなことをいまの状況で話すと怒られそうなので、
 
 ひとりごとで、つぶやく。
 
 遠くへ行ってさがすのは、いちばん近い自分の景色だろうけれど。
 
 それでも、どこか、遠くへ行きたい。
 
 想いの翼を、大空のように、広げて。


<第1025号 2020年4月5日(日)>

       ささえ

         ひかりがすき
         たったひとつ
         ちいさくかがやく
         ひかりがすき
         
         ひかりがひとつ
         てらすだけで
         わたしのこころが
         ささえられる
         
         ひかりがすき
         いまはそれだけでいい
         そばにあるだけでいい

         

   * 挿一輪 *

 先の見えない不安があります。
 
 そのもやもやのなかで、わずかでも、ささやかでも。
 
 明るく照らすものがあると、いい。
 
 そんなささえを、なにか、ひとつでも、みつけて。






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