2020年5月のこびん

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<第1033号 2020年5月31日(日)>

       ならべて

         ならべてみたい
         ぽっかりとうかぶくも
         ならべてみたい
         はじけるとりのさえずり
         
         ならべてみたい
         すきなひとのえがお
         ならべてみたい
         おちてきたさくらんぼ
         
         ならべてみたい
         きのうときょうのわたし
         なくしたものみつけたもの
         
         ならべてみたい
         わからないままのもの
         ふっといのちのひかりとかげ

         

   * 挿一輪 *

 ものごとは一瞬一瞬で過ぎてゆきます。
 
 昨日の空に浮かんだ雲と今日の空に浮かんだ雲は別々です。
 
 見たものの記憶のなかでは並べられても、実際はできません。
 
 けれど、まるっきり別のものも、自分のなかでは並べることができます。
 
 さて、今日のあなたは、なにを並べているでしょうか。
 
 そして、そこから、なにがつながるのでしょうか。


<第1032号 2020年5月24日(日)>

       あそび

         ちいさな
         あそびは
         ふしぎとたのしい
         
         ふとした
         あそびは
         いがいとつづく
         
         わたしの
         みつけた
         ひみつのじゅもん
         
         かぜが
         ふいたら
         そっとのせて
         
         だれかのあそびと
         ならべてみたい

         

   * 挿一輪 *

 なにもすることがない時間。
 
 退屈だなと不満をためるひとと、自分独自の遊びを見つけるひとと。
 
 どこかへ行ったり、大がかりなことをしなくても、
 
 身近なもので楽しい遊びを見つけてみましょう。
 
 だれかに教えてもらうのではなく、自分が好きな小さな習慣から。
 
 ひとり遊びはリラックス以外にも、新しい生きかたを教えてくれます。
 
 遊びの連鎖で、さらに楽しい遊びが見つかるかもしれませんね。


<第1031号 2020年5月17日(日)>

       まっている

         ひかりに
         とけたことが
         あるだろうか
         むかしのおもいでのように
         
         ひかりに
         はじけたことが
         あるだろうか
         とりのさえずりのように
         
         ひかりに
         にじんだことが
         あるだろうか
         なみだのつぶのように
         
         ひかりに
         こたえたことが
         あるだろうか
         いっぱいのえがおのように

         

   * 挿一輪 *

 すぐそこにあるのに、気がつかない。
 
 すぐそこにいるのに、気がつかない。
 
 どんなに狭い範囲でも見ていなければ見つけられません。
 
 なにも、だれも、いないわけではありません。
 
 大切なのは、あなた自身の目で、気がつくことです。


<第1030号 2020年5月10日(日)>

       うごく

         あなたが
         うごきはじめるのを
         じっとまっていた
         
         どうかんがえても
         うごくはずがない
         あなたを
         まっていた
         
         わたしが
         うごきはじめるのを
         じっとまっていた
         
         どうかんがえても
         うごくはずがない
         わたしを
         まっていた
         
         ふきはじめたかぜ
         さそいだしたのは
         いったいだれだろう

         

   * 挿一輪 *

 動くのを待っていても、動かないものは動きません。
 
 目の前の大きな石を押したってびくともしないし、念じても動きません。
 
 じっと向かい合っていても、いつまでも変わることはありません。
 
 この大きな障害を越えてゆくにはどうすればいいのでしょうか。
 
 自分自身がぐるりと歩いて動くことがひとつめです。
 
 もうひとつは、大きな障害を味方につけることです。
 
 これも、自分を動かすことです。
 
 そう、こころを動かすことです。
 
 どんなことでも、発想の転換で、ものごとは動き始めます。


<第1029号 2020年5月3日(日)>

       みるもの

         さくらの はな を
         めでるひとも
         さくらの わかば には
         めをとめない
         
         もみじの こうよう を
         うたうひとも
         もみじの はな には
         きがつかない
         
         あおぞらは
         うちゅうのまど
         まっすぐなみちを
         みつづけるひとはいない
         
         あなたはなにがみえますか
         あなたはなにをみてますか

         

   * 挿一輪 *

 あなたの目で見ていますか。
 
 あなたの耳で聞いていますか。
 
 あなたのこころで触れていますか。
 
 ちょっとだけ、立ち止まって。
 
 ちょっとだけ、たしかめて。






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