<第1050号 2020年9月27日(日)> ヒント みちにおちている かぜにのってくる ふりかえりさけぶ まどをさっとよぎる いろあせている ささくれだっている わすれてはいない すきなことがうかぶ あきらめてうつむく うしろがみひかれる なくしたものはどこ あめのかどをまがる ずっとずっとむこう そんなとおくのこと だきしめたいものは じぶんのここにひそむ * 挿一輪 * ヒントはどこにでもあります。 いつも見ている身のまわりにあります。 自分がそばにいって、ふと声をかけてみる。 ヒントは、声をかけられるのを、微笑んで待っています。 <第1049号 2020年9月20日(日)> せつな まあるい ひかり とがった ひかり おおう ひかり だきつく ひかり とらえる ひかり にげる ひかり にこにこ ひかり すねっこ ひかり あのこがほしい はないちもんめ ほしいあのこ ひかり だるまさんがころんだ ひそむあきにころんだ ふりかえれば ひかり * 挿一輪 * 自然のひかりは一瞬です。 陽だまりも木漏れ日も音もなく動いています。 おなじひかりには二度と出会えません。 秋のひかりは澄みきって、思わず足を止めさせます。 わたしのなかで反射して、いのちの糧になります。 刹那(せつな)のわたしとひかりの出会いです。 ただ、生きている。 その奇跡を教えてくれるものが、一瞬のひかりです。 <第1048号 2020年9月13日(日)> にゅうどう おーい こころ むくむくとむくむくと どこをみつめているんだ おーい こころ ごくごくとごくごくと なにをのみこんでいるんだ そんなにふくらんで そんなにりっぱになって まっかになって ぐらんぐらんになって たえきれなくなって おこってわめいておおなきして おーい こころ どうしてもどうしても そこまでゆくのか * 挿一輪 * 夏の終わりの入道雲。 どんどんどんどん大きくなって。 空いっぱいになって、太陽を隠して。 最後は暴れて大泣きして。 こころのなかの入道雲は、夏に限らず、一年中発生します。 <第1047号 2020年9月6日(日)> なくしもの ちかみちばかり さがしていたら とおまわりが できなくなった やさしさばかり さがしていたら いたみのかげが みえなくなった あおぞらばかり さがしていたら ケンケンパッが できなくなった コトンとすこし ねむってみたら かぜのけんかが きけなくなった * 挿一輪 * 大人になって、いろいろなことができるようになり。 代わりに、大人になって、できなくなったことがいっぱい。 大人って、子どもの成長したもの、って、ほんとう? それとも、子どもの、なれのはて? どこか遠くで、懐かしいなにかが、呼んでいます。 |
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