2020年11月のこびん

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<第1059号 2020年11月29日(日)>

       かいほう

         まどから
         わくをはずす
         
         ガラスだけを
         のぞきこむ
         
         もちあげて
         すんだあきのそらをあびる
         
         ひざにおいて
         あしもとのくさをのぞく
         
         うでをのばして
         ろじにつづくみちをのぞむ
         
         あるのをわすれる
         とうめいなガラス
         
         いきをふきかけると
         ふわっとくもるガラス

         

   * 挿一輪 *

 気がつくと、規定の枠を自分自身にはめています。
 
 その枠がなくなっても、次の枠をどこかにさがす自分。
 
 でも、思い切って枠をはずせば、こんなにも視界は広々。
 
 ほら、のびのびと生きるって、気持ちいい。


<第1058号 2020年11月22日(日)>

       きかん

         ふと たちどまる
         おいついたかぜも
         つつみこむようにとまる
         
         ここは わたしのばしょ
         どんなにみちのとちゅうでも
         たしかな わたしのばしょ
         
         かえってきた
         ふかいふかいねむりから
         なにかにうながされて
         
         ふと ほほがゆるむ
         こきゅうがよんだ えみ
         かぜがめくばせをして
         
         うごきだす わたしのばしょ
         もうなくすことはない
         いのちの ひだまり

         

   * 挿一輪 *

 どんなところでも、ここはわたしの場所。
 
 わたし自身が生きている場所。
 
 しん、としています。
 
 でも、無音ではありません。
 
 聴こえるのは、秋のお陽さまの光の音と、いのちの音。


<第1057号 2020年11月15日(日)>

       つたえたいこと

         わたしが
         つたえたいことは
         わたしじしんです
         
         わたしの
         いきていることを
         あなたにつたえます
         
         わたしに
         であったなら
         たちどまってください
         
         わたしと
         めをあわせたら
         すこしじかんをください
         
         わたしが
         つたえたいことは
         わたしじしんです

         

   * 挿一輪 *

 だれもが、自分を表現しています。
 
 形式や方法は千差万別ですが、生きていることを表現しています。
 
 わたしのそばを、風だけが通り過ぎるかもしれません。
 
 それでも、表現することを止めません。
 
 生きていることは、自分を表現すること。
 
 どんな小さなことでも、表現し伝えること。
 
 そう意識していると、日常が変わります。
 
 毎日が旅であると思うと、景色が変わるのと同じです。
 
 あなたの表現を楽しみにしています。


<第1056号 2020年11月8日(日)>

       よりそう

         そっと
         よりそう
         
         ひそかに
         ささえあう
         
         こころの
         パレット
         
         ふれたいろに
         そまる
         
         わたしのいろ
         あなたのいろ
         
         すきないろは
         いつかおなじに
         
         いつまで
         よりそう
         
         みつめるひが
         しずむまで

         

   * 挿一輪 *

 いつもそばにいる人のことは、つい忘れがちです。
 
 空気のように、当たり前になっているからでしょうか。
 
 いつもそばにいるから、いつかお互い似てゆきます。
 
 今日の陽は沈んでも明日の陽は昇り、こころを感謝で染めてゆきます。


<第1055号 2020年11月1日(日)>

       ぎしき

         おめんをいちまいくださいな
         あきのあさにくださいな
         かなしいことをおわらせる
         ちいさなぎしきにくださいな
         
         うつむくことにつかれたら
         みあげることにつかれたら
         しょうめんみつめてまっすぐに
         あるくゆうきもなかったら
         
         おおきなきからはらはらと
         わたしのもとにやってきた
         ふゆはるなつをのみこんだ
         せつなのはっぱをくださいな
         
         おめんをいちまいくださいな
         すんだくうきをみつめる め
         すんだことばをつたえる くち
         ふっかつぎしきをはじめます

         

   * 挿一輪 *

 立ち直るためのきっかけ。
 
 それはささやかなことからはじまります。
 
 小さな出合い、偶然との遭遇、ふとした動作、自分だけの儀式。
 
 きっかけが用意されていることは、もう立ち直れるということです。
 
 あとは、なんでもいい、自分のなかのGOサインが必要なだけ。
 
 ふっと、風が変わったなと思ったら、風を呼びたいと思ったら。
 
 自分だけの儀式をやってみてください。
 
 あとは、すべてが背中を押してくれますから。




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