2020年12月のこびん

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<第1063号 2020年12月27日(日)>

       いちようらいふく

         ふゆがれのなかでも
         あたらしいいのちは
         おともなくうまれている
         
         きぼうのしょを
         さがさなくても
         ことばはたたずんでいる
         
         かえってゆくものたちの
         てばなしたもくてき
         きえてゆくものたちの
         のこされたやくそく
         
         なにもないとなげくな
         こうべをたれたそこに
         ひかりのこどもがまっている


         

   * 挿一輪 *

 一陽来復、陰から陽へ。
 
 陽を迎えるのは、陰があるからです。
 
 陰は、怖ろしいもの、忌み嫌うもの、ではありません。
 
 陰をしっかりと見つめ、糧にしてください。
 
 陽のまぶしさが、なお一層あでやかに見えるように。


<第1062号 2020年12月20日(日)>

       みのり

         どんなに
         ちいさな
         くさばなでも
         しっかりと
         みをつける
         
         いちねんの
         じかんが
         あめたちが
         おひさまが
         みをつける
         
         あたらしい
         いちにちが
         うまれたら
         つやつやと
         みをそだて
         
         つめたい
         きたかぜが
         ゆすったら
         よろこんで
         みをわたす


         

   * 挿一輪 *

 みのりは、多くのちからをかりながら、時間をかけて育まれます。
 
 どんなハプニングが起こっても、糧に変えてしまいます。
 
 たとえ、だれかに助けを得たとしても。
 
 自分の実を育ててゆくのは、自分以外にはありません。
 
 その一点を間違えなければ、いつかみのりが得られるはずです。


<第1061号 2020年12月13日(日)>

       ひろう

         こんなものまで
         すてられているんだ
         ふとたちどまる
         
         いらなくなったのか
         ふるくなったからか
         みちばたにむぞうさに
         
         みまもられているのに
         やさしさにつつまれているのに
         きがつかずにすぎる
         
         そのものも
         そのこころも
         すてるひともあり
         だいじにするひともあり

         

   * 挿一輪 *

 だれかが、いらないから捨てる。
 
 でも、他のだれかにとっては、必要かもしれません。
 
 もしかしたら、宝物にすらなるかもしれません。
 
 だれかが、けなしているから、自分も価値がないとけなす。
 
 本当でしょうか。
 
 自分の目で、確認することが必要です。
 
 情報や物のあふれている時代。
 
 取捨選択を、しっかりと自分の力でしたいものです。


<第1060号 2020年12月6日(日)>

       てんぴ

         ひらいて
         ほす
         わたしを
         
         てんぴに
         ほす
         しっかりと
         
         おひさまに
         さらす
         まるっと
         
         にじみでる
         うまみ
         じわっ

         

   * 挿一輪 *

 天日干しの干物(ひもの)。
 
 陽にさらされて、うまみが出ます。
 
 どんなときでも、おひさまのちからをもらって。
 
 ぶれることなく、自分を熟成できればいいですね。






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