2021年8月のこびん

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<第1098号 2021年8月29日(日)>

       しりょくけんさ


         みえるものを
         こたえます
         みえないものは
         こたえません
         
         みえるものは
         ちいさくなって
         みえないものは
         おおきくなって
         
         いちばんちいさなものの
         さき
         いちばんおおきなものの
         さき
         
         みえないところに
         なにがみえますか


         

   * 挿一輪 *

 目が悪いと、視力検査は苦労します。
 
 視力表の一番上でさえ答えられないと、汗が出てきます。
 
 検査をする人の、どうしてこれが見えないの、という、あきれ顔。
 
 だって、見えないものは見えないのだから、仕方がない・・・。
 
 でも、視覚だけだと騙されることも、気がつかないこともあるのに。
 
 目に頼らずに、ものを見ることも大切な要素なのですが。


<第1097号 2021年8月22日(日)>

       いれもの


         いれものが
         ひつようなんだ
         
         いのちは
         はだかでは
         いきられない
         
         いのちを
         まもるいれものを
         もとめている
         
         いれものがあるから
         いのちは
         あんしんする
         
         だから
         いのちのはいった
         いれものを
         こわさないで
         
         わたしのも
         あなたのも


         

   * 挿一輪 *

 そのなかには、いのちが入っています。
 
 バラも、ネコも、セミも、もちろん、人間だって。
 
 それぞれのかたちを、いのちは必要としています。
 
 いのちの場所を、壊さないで。
 
 そっと、守ってあげてくださいね。


<第1096号 2021年8月15日(日)>

       パイナップル


         ぱいなっぷるの
         まんなかには
         たいようがひとつ
         ねむっている
         
         ナイフでひらいた
         こがねいろの
         かじゅうのうみから
         のぼってくる
         
         わたしたちの
         まんなかにも
         たいようがひとつ
         ねむっている
         
         あさのナイフで
         ひらけばのぼる
         あたらしいきょうが
         あたらしいわたしから


         

   * 挿一輪 *

 友人から届いたパイナップル。
 
 南の島からの嬉しい贈りものです。
 
 ひとつひとつの果実のなかに、南の太陽が詰まっているようです。
 
 毎朝昇って、夕には沈んでゆく、太陽。
 
 太陽に見守られて、甘い果実になれるといいですね。


<第1095号 2021年8月8日(日)>

       つぶやき


         どこへもでちゃだめだって
         だれもよんじゃだめだって
         たいへんだね
         にんげんは
         
         ぼくはかぜにながされる
         みんなとならんでながされる
         うらやましそうに
         みあげられるけど
         
         さっきうまれたばかりなんだ
         どんどんかたちがかわってゆく
         ちょっとめをそらしたすきに
         ほらもうかたちがない
         
         どこへもでちゃだめだって
         だれもよんじゃだめだって
         たいへんだけど
         にんげんは


         

   * 挿一輪 *

 オリンピックがあろうとなかろうと、ひとは喜び、ひとは泣きます。
 
 特別な日は、その時が過ぎると、日常のひとこまになっています。
 
 空を見上げて、形の変わる雲を見ていると、笑いや涙が出てきます。
 
 ひとりひとりは、みんな異なっていいのだから。
 
 ふと、そんなことばが浮かんできました。


<第1094号 2021年8月1日(日)>

       かいほう


         いちにちのおわりに
         かいほうする
         
         じぶんをおおう
         ひふをけすように
         
         じぶんをおおう
         こころをとかすように
         
         からだにながれる
         まっかな ちのながれを
         
         こころにながれる
         まっかな じゆうを
         
         ときはなて
         ときはなて
         
         ゆうひにつげるように
         みゃくをうつように


         

   * 挿一輪 *

 自分が自分であることを守るために、バリアがあります。
 
 身体では、全身をおおう皮膚であり、こころでは、警戒です。
 
 一日中、バリアは自分を守りますが、大小のダメージを受けます。
 
 それどころか、自分自身で、傷つけてしまうこともあります。
 
 一日が終わる時に、傷ついたバリアの再生をしましょう。
 
 できるだけ、その日の傷は、その日に修復を。






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