2021年11月のこびん

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<第1111号 2021年11月28日(日)>

       あかし


         たんぽぽが
         ふりむけば
         たんぽぽの
         かげ
         
         あなたが
         ふりむけば
         あなたの
         かげ
         
         とおいほしから
         とどいた
         かがやきに
         おしえられ
         
         たしかにいま
         ふりむけば
         たしかにここ
         かげ


         

   * 挿一輪 *

 おひさまを、からだいっぱいにあびて。
 
 まぶしさを、こころいっぱいにあびて。
 
 ふっと、振り向いてください。
 
 そこにある影、なにに見えますか。
 
 それは、たしかに、あなたの影。
 
 生きている証し、いま、ここに。


<第1110号 2021年11月21日(日)>

       ことなる


         にげちゃいけないよ
         ことなる ということから
         せめちゃいけないよ
         ことなる ということから
         
         かなしんじゃいけないよ
         ことなる ということから
         かくしちゃいけないよ
         あなたじしんから
         
         おなじものなんて
         ひとつもない
         おなじいのちなんて
         ひとつもない
         
         だからおもしろい
         ことなる ということが
         だからかてにできる
         ことなる ということを


         

   * 挿一輪 *

 ひとと異なった行動をするには、なぜか勇気がいります。
 
 日本という、国民性からでしょうか、同じものの中で安心します。
 
 でも、個性は、隠そうとしても、隠しようがありません。
 
 無理に自分を押し殺そうとすると、ストレスで破綻を起こします。
 
 それだけ、異なることは、自然で当たり前のことなのです。
 
 堂々と、それぞれの個性を生き切りましょう。
 
 ただ、自分だけでなく、他の個性もリスペクトしてくださいね。


<第1109号 2021年11月14日(日)>

       いきて


         あるいていると
         からだがうまれてくる
         こころがうまれてくる
         
         たちどまってみあげると
         たちどまってみつめると
         からだがといかけてくる
         こころがといかけてくる
         
         あなたはだあれ
         あなたはなあに
         
         おおきなくものかげが
         うまれたかぜのおとと
         からだとこころを
         スキャンしてゆく
         
         いきていると
         わたしがうまれてくる
         あしたがうまれてくる


         

   * 挿一輪 *

 詩人の坂村真民さんの詩に、七字のうた、という詩があります。
 
 三連の詩の、最後の一連が次の4行です。
 
 
  すずめはすずめ/やなぎはやなぎ/まつにまつかぜ/ばらにばらのか
 
 
 いのちは、個性は、唯一のもので、かけがえのない存在、という詩です。
 
 そんな思いを、ひらがなの、やさしいことばで伝えている詩です。
 
 宇宙でひとつの自分だからこそ、自分自身で守り、育てたいですね。


<第1108号 2021年11月7日(日)>

       すえ


         だいちにしっかりと
         たち
         せっするいってんから
         すいこむ
         もの
         
         いつもそらを
         みて
         ゆめをもとめていた
         あなたの
         あし
         
         このほしにいるかぎり
         いま
         だいちからは
         はなれられ
         ない
         
         それならはらをくくり
         すえ
         あしのうらから
         ほしを
         すえ


         

   * 挿一輪 *

 この星の上でひとが生きるためには、大地に接することが必要です。
 
 どんなに高い建物に上ろうと、その建物を通して大地に必ず接します。
 
 だから、足は大切です。
 
 大地に立っていると、足裏からなにかが入ってくるのを感じます。
 
 足の裏から、吸いこむものは、なんでしょうか。
 
 樹に、たずねてみましょうか。






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