2022年2月のこびん

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<第1124号 2022年2月27日(日)>

       まつ


         あなたはかぜをまつ
         わたしはひかりをまつ
         
         あなたはひかりをみたい
         わたしはかぜをききたい
         
         ねむっていると
         かもめがとまった
         
         うごきはじめると
         だれかがじっとみつめた
         
         くもりぞらでも
         かさのしたからでも
         
         なんどでもなんどでも
         とおくからやってきた
         
         きょうは かなしそうだね
         きょうは ごきげんだね
         
         まつものがもうひとつふえた
         まつことがあしたにつないだ


         

   * 挿一輪 *

 目的のために、ずっと歩み続けることは必要です。
 
 けれど、待つことも、実はとても大切です。
 
 待つことは、目的への道のりのひとつだからです。
 
 待つことは、耐えること、でも、その姿を見守るものがあります。
 
 待つことが糧になるとわかるなら、いまの空模様は気になりませんね。


<第1123号 2022年2月20日(日)>

       むすぶ


         みているのは
         わたし
         ピンホールの
         ひかりのてんのように
         
         みたいもの
         いちばんみたいもの
         むげんのせかいでの
         そのいってん
         
         みているのは
         あなた
         まばたきをおしむように
         まっすぐにみかえす
         
         みてほしいもの
         あなたとわたし
         てん と てん
         つなぐいっぽんのせん
         
         つたえたいもの
         みている いま
         であった ここ
         むすびあったあかし


         

   * 挿一輪 *

 見ているのは、その一点だけです。
 
 どんなに広く大きな世界でも、いま見ているのは、この一点。
 
 見られるものも、じっとこちらを見ています。
 
 一点と一点、が結ばれて、できるのは一本の線。
 
 いま、ここ、というのは、この一本の線の現れなのかもしれません。
 
 あなたはいま、なにを見ていますか、そして、なにと結ばれていますか。


<第1122号 2022年2月13日(日)>

       さく


         あなたがすき
         だから
         みたい
         
         そのつぼみが
         ゆっくりとほぐれ
         ふっと
         ためいきつくように
         ひらくのを
         
         あなたがすき
         きっと
         さくから
         
         やくそくなんか
         ずっとまえ
         きらいになったけど
         あなただけは
         うらぎらない
         
         みてて
         さく
         さく
         さく
         
         あなたがさく
         やくそくがさく
         きっぱりと
         わたしも
         さく


         

   * 挿一輪 *

 花は、咲きます。
 
 その花をじっと見つめるひとも、咲きます。
 
 信じること、と、少しだけ違います。
 
 信じる、信じない、がないからです。
 
 それだけ、きっぱりと、咲きます、花も、あなたも。


<第1121号 2022年2月6日(日)>

       みたす


         メーターがひとつ
         なまえは
         わたし
         
         はりがぐぐっとふれて
         ふりきれそうな
         わたし
         
         わらいながらでも
         なきながらでも
         
         とびはねていても
         ぐにゃっとしていても
         
         いつだって
         ひたひたにみたされた
         わたし
         
         あふれてもあふれても
         わきでてくる
         わたし


         

   * 挿一輪 *

 わたしの身体は、わたしでいっぱいです。
 
 他の微生物との共生はあったとしても、基本はわたし自身です。
 
 でも、こころには、わたし以外のものでいっぱいです。
 
 ここだけが、良くも悪くも、別世界。
 
 わたしをしっかりと生きていればいいのに、なぜか邪魔をする。
 
 気がつけば、わたしをこっそり削ってしまい。
 
 でも、別世界があるからこそ、新しい風も取り入れられます。
 
 できるだけ、自分の糧にして、自分で満たしてくださいね、自分自身を。






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