2022年6月のこびん

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<第1141号 2022年6月26日(日)>

       かみしめる


         かみしめると
         あじがでる
         
         かみしめると
         つよくなる
         
         かみしめると
         かおがしまる
         
         かみしめると
         あかりがみえる
         
         かみしめると
         わすれない
         
         かみしめると
         たちどまれる
         
         かみしめると
         つぎのいっぽが
         ふみだせる


         

   * 挿一輪 *

 せわしない社会では、噛まずに飲み込むことが多くなりました。
 
 噛めば噛むほど味が出る、といわれます。
 
 よく噛むことは、身体に良い、ともいわれます。
 
 分からないことも、何度も噛みしめることで、道が見つかります。
 
 生きることは、急ぐことではありません。
 
 たった一度の、自分だけの生きかた。
 
 どんなに長くても、噛んで噛んで噛みしめて。
 
 決して味のなくならない、美味しい自分の生き方を歩んでください。


<第1140号 2022年6月19日(日)>

       ひらく


         よりそいながら
         じかんはながれる
         そうおもっていた
         でもまちがいだった
         
         いきをころしていても
         わからない
         かさなることのない
         あなたとわたしのじかん
         
         それでもみたい
         みつめていたい
         あなたがひらくのを
         あなたのじかんを
         
         ふっとめをはなしたすきに
         あなたはひらく
         いじわるとはちがう
         それがあなたのじかんだから


         

   * 挿一輪 *

 花が開く瞬間に出会うのは、とてもまれなものです。
 
 開く花自身にならないかぎり、めったにかないません。
 
 見ているものと花、それぞれの時間の流れが異なるからです。
 
 例えば、ひと同士にも、あてはまるのではないでしょうか。
 
 そのことがわかれば、生き方が少し楽になってゆくかもしれませんね。


<第1139号 2022年6月12日(日)>

       つらぬく


         いっぽんの
         たてのせんが
         まっすぐに
         つらぬいている
         
         そらとだいちのあいだ
         ではなく
         あたまとあしのあいだ
         あなたの
         
         うごきはじめた
         ひとつのはくどう
         とまることなく
         あなたをまもりぬく
         
         こたえるために
         ひとつのいきざま
         しっかりと
         つらぬかねば
         
         さいたはなを
         まるごとそのまま
         あなたにおくる
         かくごがひつよう


         

   * 挿一輪 *

 ひとつのことをやり抜くには、覚悟が必要です。
 
 いちばん大切な覚悟は、あなた自身として、生き抜くことです。
 
 だからこそ、あなたの個性に自信をもって、全力でやり抜いてください。
 
 なにがあったとしても、あなたという生き様は最後まで残りますから。


<第1138号 2022年6月5日(日)>

       つつむ


         つつむ
         こわれそうなものだから
         
         つつむ
         まもりたいものだから
         
         つつむ
         ふたつとないものだから
         
         つつむ
         よりそいたいものだから
         
         つつむ
         おくりたいものだから
         
         つつむ
         わたしのてをみたいから
         
         つつむ
         あなたのてをみたいから
         
         つつむ
         だいすきなときめきだから


         

   * 挿一輪 *

 包むときの所作は、美しいものです。
 
 大切なものだと、なおさらです。
 
 ものと一緒に、気持ちも包んでいるからです。
 
 開けるときには、気持ちまでいただくように気をつけたいですね。






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