2023年3月のこびん

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<第1180号 2023年3月26日(日)>

       す


         すっと
         とけるもの
         すっと
         ふれるもの
         
         すっと
         わらうもの
         すっと
         かおるもの
         
         すっと
         うかぶもの
         すっと
         つつむもの
         
         すっとするもの で
         わたしをつくりたい


         

   * 挿一輪 *

 春のまんなかを歩いていると。
 
 すっと、なにかに寄り添われ。
 
 とってもやさしい気持ちになります。
 
 自分も、そんなものになれたらいいな。


<第1179号 2023年3月19日(日)>

       し


         しろ は
         そまるいろじゃない
         しろ は
         とてもつよいいろ
         
         しろ は
         だれもがもっている
         しろ は
         うまれたときのいろ
         
         しろ は
         わたしのこころのいろ
         しろ は
         つたえられてきたいろ
         
         わすれないふるさとのいろ
         まっすぐすすむひかりのいろ


         

   * 挿一輪 *

 白は、強い色です。
 
 無条件の、優しさを持つ色です。
 
 だれもが、生まれたときに授かり、最後まで持ち続ける色でしょうか。
 
 他の色に染まるように見えても、決して失うことのないいのちの色です。


<第1178号 2023年3月12日(日)>

       さ


         さっとみえるもの
         かたすみによぎるもの
         たちどまらなければ
         すぐにわすれるもの
         
         さっとにおうもの
         きおくによぎるもの
         おもいだしたなら
         じかんがおいつくもの
         
         さっとふれるもの
         いつまでものこるもの
         ゆびさきからほほへ
         きえることのないもの
         
         さっとつつまれたなら
         さっとかたちにとめて


         

   * 挿一輪 *

 気のせいかな、と、立ち止まりかけて、通り過ぎるもの。
 
 でも、なぜ、その一瞬に出合ったのか。
 
 そのなにかとわたしが、呼応したのでしょう。
 
 なにげないひととき、わたしのからだの反応を、忘れずに。


<第1177号 2023年3月5日(日)>

       こ


         こえなきこえをきく
         ちいさなものの
         かたすみのものの
         みえないものの
         
         こえなきこえをきく
         わたしのからだの
         いまのこきゅうの
         ふれるゆびさきの
         
         こえなきこえをきく
         こたえをいそぐな
         しせいをただして
         まっすぐむきあう
         
         こえなきこえがきけたら
         いのちのばしょがわかる


         

   * 挿一輪 *

 難しいことです、じっと耳をかたむけること。
 
 最後まで話を聞かずに、つい口をはさんでしまいがちです。
 
 聞いていないからです、相手の声を。
 
 聞こえる声でさえ、そうなのですから、声なき声はもっと難しい。
 
 聞くことができるようになれば、自分の立ち位置がしっかりします。






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