| 空のひとで 風の強い日には 空の海から たくさんのひとでが降りてくる 空は青い樹が支えている 透明な大きな枝が 網目のようにからまりあい まるでアルルカンの舞踏のように ひとでの葉を振り落とす 冷たくしまってきた大地の上で 君の網膜のなかにも 光りはじける様々なひとでがこぼれてくる それを11月がひろいにくる こおろぎの残した小さな穴から すばしこい跳躍で 風のように集めてゆく 風の強い日には 深い空の湾から 光るひとでが降りてくる 見ているのは君だけだ すべての昨日を投げ捨てた まるはだかの君だけが 光るひとでを手にすることができる これから始まる 新しい一日のなかで |
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