カンナに カンナになってごらん 真っ赤なカンナに うだるような8月の午後に ゆっくりと 見上げるように 真上には 空をおおいつくすほどの 入道雲 貼り付けられた色が ひとつひとつ ばりばりとはがされて だれも歩いていない 影だけのはりついた路地裏 ただ 真っ赤なカンナだけが そのままの色をもちつづけている カンナになってごらん 汗臭い体をボロリと脱いで もう何色になるか 恐れなくていいはずだ 眠れない夜をすごすこともないはずだ |
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