***  1月の詩  ***

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 Not same


同じ日は
一日もないのだから
同じあなたで
すごしてはいけない

同じあなたに
たとえ見えたとしても
必ず
昨日とちがっている

気がつかないふりをして
目をつぶっていてはいけない

違いがわからないからといって
放っておいてはいけない

新しいあなたが
ここにきっといるのだから
信じて今のあなたに出会おう

時計の短針は
気がつくと少しずつ動いている
秒針よりもゆっくりだけれど
確実に動いている

ただ通り過ぎていくことなく
二度とつかむことのない今日を
みつめて
生きてゆこう

 さがしもの


雪が降った次の朝は
白いものをさがしている

畑や庭や道のすみに残るもの

あれは白い紙
あれは錯覚
あれは反射

雪は消えてしまった
どんなにさがしてもみつからない

やさしい人に出会った次の日は
やさしいものをさがしている

ふと立ち止まった見知らぬ人
すれ違った人
いつも出会う人

あれはわがまま
あれはいやしさ
あれはずるがしこさ

やさしさは消えてしまって
あとには
冷たい風が吹き抜けるだけ

雪が舞い降りた同じ空なのに
今はどこまでも雲ひとつない


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