オオマツヨイグサ 日没とともに つぼみが開く かすかな音をたてて つぶやくような音は だれに聞かせる音 なにを伝える音 やわらかに開いた黄色い花は じっと見つめている たったいま ゆっくりと上ってきた黄金の月を まるで母親を慕うように オオマツヨイグサの開く音は 自分の生きていることを ひそかにたしかめる音かもしれない ため息のような音でもいい 消え入るようなかすかな音でもいい わたしにも 自分が開いたことを告げる たしかなおとないがくるのだろうか オオマツヨイグサの花に わたしの開いた音のことを いつか そっと並んで 微笑みながら話してみたい |
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