***  7月の詩  ***

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 オオマツヨイグサ


日没とともに
つぼみが開く
かすかな音をたてて

つぶやくような音は
だれに聞かせる音
なにを伝える音

やわらかに開いた黄色い花は
じっと見つめている

たったいま
ゆっくりと上ってきた黄金の月を
まるで母親を慕うように

オオマツヨイグサの開く音は
自分の生きていることを
ひそかにたしかめる音かもしれない

ため息のような音でもいい
消え入るようなかすかな音でもいい

わたしにも
自分が開いたことを告げる
たしかなおとないがくるのだろうか

オオマツヨイグサの花に
わたしの開いた音のことを

いつか
そっと並んで
微笑みながら話してみたい



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