つめ つめはのびる 哀しいことがあっても 苦しいことがあっても のびる 友だちとけんかしても 思わぬ贈り物をもらっても のびる ころんでも 大声で笑っても だれかと見つめあっても のびる あとからあとから 生きてきた時間を 生きていたあかしを 積み重ねてゆくように のびる のびて 哀しさや苦しさを忘れるように パチンと切り離しても 次の日には のびている なあ つめよ おまえはあとどれくらいのびる おまえをあとどれくらい切り続ける ピンクのあたたかさから離れ ひんやりとした白いつめを切る 通り過ぎた自分に ご苦労様と声をかけて つめを切る |
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