***  1月の詩  ***

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 だるまさんがころんだ


長い影が伸びてゆく
ブランコの板を超えて
シーソーの板を超えて
滑り台のてっぺんまで

金色の太陽に向かって歩く
立ち止まって目を閉じる

 だるまさんがころんだ

風よりすばやく振り返る

いま滑り台のてっぺんで
小さな影がふいに止まった
動いていたの だ・れ・だ

笑い声の風が抜けて
小さなうずまきが
くるくると砂ぼこりをあげてゆく

もういちど太陽に向かう
目をつぶって現れる
あざやかなオレンジの世界
濃い赤い世界に変わったところで

 だ・る・ま・さ・ん・が・ころんだ

振り向くとたくさんの小さな黒い影
明滅するのは小さなだるま
それともこころに生きるあの人

彼岸の陽だまりに集う魂は
生きている人のなかでよみがえる
これはおまじない
いつでも再会するためのおまじない

 だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ




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