サザンカ マリリンモンローに出会ったら うっとり見とれるに違いない それがたとえ師走の街の 冷たい風の吹き抜けでも もちろん日本の片隅の 小さな路地にあるものは かさかさ駆ける落ち葉の迷子と 遠くに響く自転車のきしむ音 まるっきりしあわせだとか 笑みのこぼれる満足だとか 思い出すのが恥ずかしいくらい 長い時間が過ぎ去って ふと立ち止まって見たときの サザンカの紅のあざやかさ ふと立ち止まって見たときの 花芯の黄のあたたかさ 決して陽だまりにはならなくても まっすぐりんと見つめている 咲いたら夜も眠らずに まっすぐりんと見つめている マリリンモンローに出会ったら 小さく手を振るに違いない そして風のように通り過ぎ 明日への角を曲がるのさ |
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