サルスベリ(百日紅) 空へ昇りたい 夏の百日のあいだに あの輝く光と話したい 蝉の鳴く百日のあいだに 真っ白な雲の船に触りたい 水しぶきの踊る百日のあいだに 南からの熱い風 次から次へと 夢のような楽園の話を吹き込む 突然の雨だってそうだ ふるさとの ミストの森を自慢する ああ 空へ昇りたい からだじゅうの赤を集めて 空への供物にしても 熱帯の鮮やかな羽をまとい 天の名をいだく 鳥の羽の一部にまぎれこんでも 砂漠に立ちのぼるかげろうの 目に見えない 巨大な上昇気流を つかまえても 燃えるようなこの赤色に この百日のあいだだけ 咲き続けるからこそ ただひたすらに 大空へ昇りたい |
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