***  2月の詩  ***

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 光のパレット


ぼくたちは
光のパレット
風にゆれるこもれびのよう

ぼくたちは
光のパレット
水面にゆれるささやきのよう

どんなにあざやかでも
どんなに自由でも
白昼夢のように消えて

ぼくたちは
光のパレット
記憶は美しさから溶ける

それなのになぜ
あなたのことがこうして
いつまでも
いつまでも
忘れられない

消えた夢でさえ
夢を見たざらつきは
なくしようのない手触り
輝きを失って
その幻すら亡くしても
落ちることのない匂い

ぼくたちは
光のパレット
それは不幸の鍵なのか
たったひとつの
パンドラの箱の残り物なのか

涙が透明に見えるのは
これ以上分解することのない
光の重ね着だから








2月の詩 光のパレット

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