***  4月の詩  ***

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 寄り添う


ひとりでいるようで
ちがう

見えないようで
けはい

いつもいるのに
わすれて

まっすぐあるいて
ふらふらあるいて
ぽつりと立ちどまると
かげ

ひとつぶん
いや
もうひとまわりぶん

いつからいたんだい
ずっとだよ
ずっとだよ

気がつかなかった
気がつこうともしなかった

声をかけようともしなかった
声をかけたら気がついたかい

みんなは見て知っていた
だって
いつもならんで
おんなじ息して
おんなじ体温で

いなくてさびしい
気がつかなくてさびしい
ほんとにいなくなったら
身がよじれるほど
さびしい

寄り添う
だから
生きていられる
ぎりぎりのところでも









4月の詩 寄り添う

4月の詩 寄り添う

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