***  2月の詩  ***

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 パーツ


小さな不安をひとつしまって
新しい出会いのワクワクをとりだして

うつむくかなしみをひとつしまって
あおぎみるまぶしさをとりだして

ためいきをもらすかわりに
風のことばをひとくち吸って

ときには目をつぶって
次に開くときの新鮮な光のために
ときには一目散に飛びだして
この胸にもういちど戻ってくるために

こころの引き出しをあけたら
細かなヒノキの香る小さな部屋に
色とりどりに並んでいる
あなたへの無尽蔵のパーツ

いつでもどこでも思うままに
取り換え差し替えられるのに
どうしてそのままにしておくの

つまらないどうしようもない
錆びたビンの王冠を自慢げに
宝物のようにかざしておくの

あらたなよそおいをまとわなくても
今のままでもすてきなのにと
怠けたがる黒い天使は
七つ星のひしゃくでからめて

いのちというベースの上に
さあどんなものを構成するかは
あなただけにまかされた
オリジナルのコーディネート








2月の詩 パーツ

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