空蝉(うつせみ) 飴色のころもにつめて 見えない昨日を 置いてゆく 飴色のころもにつめて 見えない昨日を また置いてゆく ふと振り返る道に 陽炎のゆらめく道に 風につらなる 空蝉 わたしのだろうか わたしのだろうか ふとしゃがんで ひとつふたつと 汗にぬれた音符をはじく 飴色のこころをもって 見えない明日を さがしにゆく 飴色のこころをもって 見えない明日を またさがしにゆく ふと見上げる空に かがやく八月の空に 約束の果たせない 空蝉 わたしのだろうか わたしのだろうか ついと立ち上がり ひとつふたつと 汗にかすんだ絵画をはがす |
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