***  11月の詩  ***

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 結界


どこからかなしみなのですか
どこまでかなしみなのですか
ぽんとそこだけきりはなし
あきのひだまりおけばいい

それはつらいことですか
とてもおおきいものですか
きりはなしたかなしみを
ひかりにさらしてみるがいい

さくやのふかいくらやみで
はてしなくふかいかなしみが
こうしてしんとかたまって
こいしのようにねむってる

ふっとおおきくいきをはき
すっとおとなくいきをすい
このひだまりのあかるさと
すんだあしたをとりこんで

ほらもうどれがかなしみで
ほらもうどこまでかなしみか
くっきりきざんだあきのかげ
どこのだれさえみあやまらぬ

どこからよろこびなのですか
どこまでよろこびなのですか
ひとはいなものふしぎもの
すぐにこころはみたされる

けれどこころのかたすみを
たったこれだけきりはなし
からだのそとにおいたなら
きょうのそらのはてしなさ

どこからあなたなのですか
どこまでおおぞらなのですか
ほんのちいさなこだわりは
ぽんとなげてわすれましょ









11月の詩 結界

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