***  1月の詩  ***

戻る


 新しいきみ


新しい年の 新しい朝の 新しい太陽
きみは ほおを 真っ赤にして
ひとみを まっすぐ 輝かせている

新しい年の 新しい朝の 新しい祈り
きみは くちびるを ふるわすように
ことばを からだから ひもといてゆく

新しい年の 新しい朝の 新しい匂い
きみは ふっと ため息を落とし
こくびをかしげ 忘れものを さがしている

どこかに置き忘れている
なにかを見失っている
見ている景色はいつもと変わらない
たしかに風は刺さるほど痛い
つきつめるように時は動く
頑丈なはずの足元だって止まっていない

昨日となにがちがうのだろう
暦という一枚の紙が
こんなにも踊るように目を耳を
からだの奥までしみとおるように
きみを変えてしまうのだろうか

見るべきものは聴くべきものは
からだをひらいて受け入れるものは
こころのかたちで
きみのかたちで
表現することができるのだ

新しい年の 新しい朝の 新しい太陽
その形でなければ ならないことは ない
そのことばで そのうたで そのゆめで
ならなければ ならないことは ない

きみが きみで ありつづけるかぎり
きみは きみの ささやかなきっかけ
新しい毎日の 新しい朝の 新しいきみ









1月の詩 新しいきみ

Copyright© 2016 Shiawase no Kijun