***  12月の詩  ***

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 わたしのかたち


光がさしたときに
わたしのかたちだと胸を張れる

手をふれたときに
わたしのあたたかさだと安堵する

沈黙はいつでも待っている
なにを待つのでもなくたたずんでいる
どのようなかたちにならなくても
ひっそりと目を覚ませている

水滴が枯れ葉に落ちる音も
北風が枯葉を押し出す音も
わたしにはおなじに聞こえるだろうか

辛くて滲み出す涙も
優しさに思わずこぼれる涙も
わたしにはおなじに感じるだろうか

まっすぐに進むことに
少しずつ疑問が生まれてきたとき
背中の後ろでじっと見守る
多くの沈黙に気がつくだろうか

見あげたら空がある
青空でも灰色の空でもそこにある

目を落としたら大地がある
砂利道でも草原でもそこにある

そんなまんなかにぽつりとひとり
大きな樹に対峙しても
果てしない海原に向きあっても
わたしはどんなときでもわたし

ここにわたしがあることに
光がさしたときだけでも
手をふれたときだけでも
たしかめながら生きる
わたしだけのかたちで









12月の詩 わたしのかたち

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