しあわせの基準 今月の詩


***  9月の詩  ***

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 泣くことができなくて


泣くことができなくて
雨のなかに飛び出していった

かなしくて仕方がないのだが
どうしても
泣くことができなくて
雨のなかを歩いていった

とめどない雨の粒が
わたしの涙のように思えて
親しい友のように思えて

雨粒に溶けるように
泣くことができるのなら
かなしみが少し消えるのかと

それでも泣くことができなくて
雨のなかで立ち止まって
葉にふるふると盛り上がった
雨粒に触れて落とし続けた

涙はかなしみを消すのだろうか
雨はかなしみを癒すのだろうか

指先についた透明な雫は
わたしの目を映し続けた
目はかなしみの出口ではなかった

夏の日差しに疲れた皮膚は
雨の粒に濡れていたけど
ひっそりとした部屋の遺影は
百合の落ちない花粉に乾いていた

泣くことができなくて
雨のなかに飛び出していったのに
泣くことができなくて
雨のなかにただ立ち尽くすだけ

どこかでしべの揺れる音がして
どこかで雨粒の膨らむ音がして








9月の詩 泣くことができなくて


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※ P印は写真付(2006年3月以降は自作写真によるテーマ詩を書いています)



 「しあわせの基準」は私の初めての詩集の題名です。毎日、日記代わりに書き続けた詩の中から、発表したものを中心にして編んでみました。

 日記をつけている方は大勢いらっしゃると思います。毎日の出来事を克明につけていらっしゃる方や、感じたことを短歌や俳句、詩の形で残される方もいらっしゃると思います。

 私も、毎日の感じたことを、詩の形に置き換えて書き綴っています。もっともそのままだと、とても理解されないので、外の目に触れるときは書き直しをしています。もともと勝手に書いたものを、正しい?「詩」の形にするのですから、頭を抱えて止まってしまうこともしばしばです。

 書き終わったノートは、みなさんはどうしていらっしゃいますか?私は虫干しをかねて、しばらくしてから読み直しています。そのときに「いいな」と思ったものが「詩」の形で作品になります。書いてすぐだと思い込みが強いので、しばらく醒ました(ほんと酔ってますね)ほうが客観的に見ることができます。

 この、しあわせの基準は、そんな虫干しのノートから抜き出した「いいもの」を、毎月1〜2編ずつお見せしてゆきました。

 でも、最近は、好きで撮っている写真からイメージをもらっています。写真詩、のような実験になっていますが、いかがでしょうか。ご感想などいただければと思っています。

 どうぞよろしくお願いいたします。



詩集「しあわせの基準」はこちらから



花束 大切な人に

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