しあわせの基準 今月の詩


***  12月の詩  ***

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 ふるさとをこわしています


ふるさとをこわしています
ふるさとをこわしています
あたためた手で
かけだした足で
かなしんだ声で
だれにもとられたくない
ふるさとをこわしています

あさには虹ができません
よるには灯りがつきません
雨戸を開け閉めする音も
庭を掃く匂いも
訪れる人の気配も
あたりまえの一日が
息を潜めて通りすぎます

ここはふるさとなのです
散っていった時間と
集まってきた記憶の
阿吽の呼吸がある
区切られたバトンゾーン
今まで途切れることのない
手渡しの名残りなのです

ふるさとをこわしています
ふるさとをこわしています
もうすぐ形がなくなって
だれにもかえりみられない
小さな更地が誕生します

冷たい風が吹きぬけるでしょう
こまかい影の刺さった
冬の陽だまりができるでしょう
不規則な水たまりが
知らん振りの空を映すでしょう

ふるさとをこわしています
ふるさとの手でこわしています
もうわたしのてのひらにしか
記念写真はのこせません










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※ P印は写真付(2006年3月以降は自作写真によるテーマ詩を書いています)



 「しあわせの基準」は私の初めての詩集の題名です。毎日、日記代わりに書き続けた詩の中から、発表したものを中心にして編んでみました。

 日記をつけている方は大勢いらっしゃると思います。毎日の出来事を克明につけていらっしゃる方や、感じたことを短歌や俳句、詩の形で残される方もいらっしゃると思います。

 私も、毎日の感じたことを、詩の形に置き換えて書き綴っています。もっともそのままだと、とても理解されないので、外の目に触れるときは書き直しをしています。もともと勝手に書いたものを、正しい?「詩」の形にするのですから、頭を抱えて止まってしまうこともしばしばです。

 書き終わったノートは、みなさんはどうしていらっしゃいますか?私は虫干しをかねて、しばらくしてから読み直しています。そのときに「いいな」と思ったものが「詩」の形で作品になります。書いてすぐだと思い込みが強いので、しばらく醒ました(ほんと酔ってますね)ほうが客観的に見ることができます。

 この、しあわせの基準は、そんな虫干しのノートから抜き出した「いいもの」を、毎月1〜2編ずつお見せしてゆきました。

 でも、最近は、好きで撮っている写真からイメージをもらっています。写真詩、のような実験になっていますが、いかがでしょうか。ご感想などいただければと思っています。

 どうぞよろしくお願いいたします。



詩集「しあわせの基準」はこちらから



花束 大切な人に

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