語る 星が光る 11月の冷たい空に 光は止まっていない またたいてゆらいで語る 星がもつ語りは 光の明滅だけだ わたしが語るのは 生まれてから出会ってきたことばだけだ 語るのは自分のことばがいい 使い慣れて背伸びしないことばがいい 道具を使えば 無理をすれば スクリーンに投影するような 巨大な像は映せるけれど そんな不遜なのぞみを持つと なにかを奪いたくなる だれかを征服したくなる 小さな語りを踏み潰したくなる 自分自身の大きさの語りは だれかを尊重することにつながるはずだ だれかの語りに耳をかたむけるはずだ そのことばでわたしを語れば 世界でたったひとつの 本物の語りができる 静かに光り続ける 11月の空の星のように |
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