***  11月の詩  ***

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 語る


星が光る
11月の冷たい空に
光は止まっていない
またたいてゆらいで語る

星がもつ語りは
光の明滅だけだ
わたしが語るのは
生まれてから出会ってきたことばだけだ

語るのは自分のことばがいい
使い慣れて背伸びしないことばがいい

道具を使えば
無理をすれば
スクリーンに投影するような
巨大な像は映せるけれど

そんな不遜なのぞみを持つと
なにかを奪いたくなる
だれかを征服したくなる
小さな語りを踏み潰したくなる

自分自身の大きさの語りは
だれかを尊重することにつながるはずだ
だれかの語りに耳をかたむけるはずだ

そのことばでわたしを語れば
世界でたったひとつの
本物の語りができる

静かに光り続ける
11月の空の星のように




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