***  12月の詩  ***

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 陽だまりゆき


白く霜で凍ったとうもろこし
さくりと光を生む霜柱
見上げると山の稜線は
白の一筆書き

風は切るように鋭いのに
からだのなかがあたたかいのは
めざすものがきっとあるから

ゆめといってもいい
目標といってもいい
明日への
とびらといってもいい

朝陽はまだ足元にも来ない
影がすこしずつ姿をあらわし
オレンジ色のてのひらが
ゆっくりとのびてくる

耳をすましてごらん
遠くからの羽ばたきの音
ほら伝書バトたちの群れ
空に大きく円を描いてくるく

雲ひとつない
奥行き無限のスクリーン
太陽のスポットライトを浴びて
一羽一羽が浮き上がる

きょうはじめに光る
いのち
あそこはもう
大きな陽だまりのなか

早く陽だまりにゆきたいな
早く陽だまりにゆきたいな

からだのなかのゆめとおなじくらい
大きくあたたかな陽だまりに




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